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薬効成分を含まないのに害がある「ノーシーボ」
ラテン語で「害する」という意味の「ノセボ」が語源で、薬効成分を含まないのに害があるものを「ノーシーボ」と呼びます。「反偽薬」とも呼ばれます。
ノーシーボ効果とは、プラシーボとは逆で、服用する人の思い込みによって悪い効果が出てしまうことを指します。
「薬を飲めば必ず副作用が出る」や「副作用による健康被害が心配だ」など、副作用を心配しすぎて、本来はそのような作用はないはずなのに、実際に症状が出てしまうのです。
医師が偽薬を用いることもある
ここまで見てきた通り、薬効を含まないものが、服薬者にとって好ましい結果をもたらす時はプラシーボと呼び、悪い結果をもたらす時はノーシーボと呼ばれます。
同じ薬の形をしたものでも、もたらされる結果によって呼び方が異なるのです。
薬の臨床試験以外にも、医療の現場でもプラシーボ効果を利用することが医師法によって認められています。
例えば、不眠を訴える患者に睡眠薬を服用しすぎるのはよくないと判断した医師が、ビタミン剤を睡眠薬と偽って処方することができるのです。
実際に患者がビタミン剤でも眠ることができたなら、その医師は名医と呼べるかもしれませんね。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
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