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どうして親の離婚が原因だと思いたいのか?
それでもネット上では、親の離婚と子の離婚の相関に共感を示す書き込みはたくさんあります。
少し読んでみると、自ら離婚した人が、その理由を「親も離婚していたから」にしていると推測されるものも少なくないようです。別の見方をすれば、離婚という悲しい経験を、自分の未熟さのせいにすると苦しくなるので、親や世間のせいにしているかのようです。
こうすると、ちょっとだけ楽になるからです。
ただし、この場合気をつけていただきたいのは、「自分に起こったことは、どんな人にも起こりうる」と一般化することです。
自分は離婚していないけれど、親は離婚したという人たちに、悪影響を与える可能性があるからです。
親の世界観が子どもに伝承される
その家に産まれ、幼いころから育ってくれば、人や物にどのように関わっているのかは、大いに親の振る舞いに影響されます。
たとえば、ぶっきらぼうな父親が母親に接する姿を見ていると、その子も女性や他人に対して、ことば少なくぶっきらぼうに振る舞うことはよくあることです。
文化の伝承ということはそういうことだとも言えるでしょう。
ですから、結果として離婚にいたった親の振る舞い方を小さい頃から子どもが見ていて、同じような振る舞い方が身につけてしまうことは大いにあり得ることです。
しかしだからといって、子どもも離婚に至ると結論づけるのはあまりにも短絡的です。
反面教師:子どもは親を越える
子どもは、親に似た振る舞いはするでしょうが、親と同じ運命をたどるとは限りません。
反抗期や自立といった時期が人間にはあります。
動物のように親と同じように大人になっていくだけでなく、人間には、幼少期は親を真似ながらも、ある時期からは、親を超えるように振る舞う時期があります。
その形が未熟なゆえに「反抗」だったり、親元を飛び出す「家出」だったりすることもあるでしょう。そして、けっこう長い時間をかけて、親を越え、自分の責任で生活することができるようになると、子どもの頃とは違った意味で、親を理解し、共感し、尊敬することができるようになります。
ですから、「親が離婚したから自分は離婚しない」と頑張っている人もいることを忘れて、「親が離婚すると子どもも離婚する」などと言うのは、失礼なことだと思いますし、無責任な発言ではないでしょうか。
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