日本はすでにギャンブル大国? 「ギャンブル依存症」について

Mocosuku(もこすく)
  • 日本はすでにギャンブル大国? 「ギャンブル依存症」について

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

日本はすでにギャンブル大国? 「ギャンブル依存症」について

公開日時

ハイリスクの快感

 
「当たるか当たらないかわからないが、いつかは当たる。まれに大当たりする」こんな状況に置かれたら、大当たりを求めて、行為にふけり、お金を投入し続けるのが、心理学で「変動歩合制強化スケジュール」と呼ばれるギャンブル性です。
 
一定の仕事をすれば確実に報酬がもらえる場合と違って、「出るか出ないかわからない」ハイリスクが、行為をし続け次第にハマっていく誘因となります。

 

ギャンブル障害

 
最新のアメリカ精神医学会発行『DSM-5;精神疾患の分類と診断の手引き』では、ギャンブルは物質依存とともに、唯一の非物質関連障害群として、「ギャンブル障害」という名の精神疾患に分類されています。
 
2014年11月に放送された『NHKクローズアップ現代』では、ギャンブル依存の疑いある人が500万人を超えたこと、脳の機能障害であること、本格的な治療対象として捉えられ始めたこと、深刻化を防ぐには「家族」がキーワードとなることなどが啓発されました。
 
DSM-5は、持続的かつ反復性の問題賭博行動で、過去12か月間に以下のうち4つ以上あるなら、ギャンブル障害と示しています。
 

1.興奮を得たいため、掛け金の額を増やして賭博をする要求
2.賭博を中断したり中止すると、落ち着かなくなる、いらだつ
3.賭博するのを制限、減らす、または中止するなどの努力を、繰り返し成功しなかった
 
4.しばしば賭博に心を奪われている
5.無気力、罪悪感、不安、抑うつなど苦痛の気分の時に、賭博をすることが多い
6.賭博で金をすった後、別の日に取り戻しに来ることが多い(失った金の深追い)
 
7.賭博へののめりこみを隠すため、うそをつく
8.賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある
9.賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を免れるため、他人に金を出してくれるよう頼む

 
 
プロのギャンブラーは、みじめな気分の時にギャンブルはやらないし、引き際を知っているそうです。
 
“勝っていてもいいところで切り上げられる、負けていても「もう1回」とねばったりしない”というのが精神科医、箒木 蓬生 医師のコメントです。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【依存症】新着記事

あなたの周りは大丈夫?「ゲーム依存は病気です」とWHOが認定

あなたの周りは大丈夫?「ゲーム依存は病気です」とWHOが認定

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ ゲームが気になってスマホが手放せない、休みの日は際限なくゲームにのめりこんでしまう… そんな状態に陥っている人はいませんか? ...

2019/01/04 18:30掲載

「アルコール依存症」の基礎知識。 診断基準と段階的な治療

「アルコール依存症」の基礎知識。 診断基準と段階的な治療

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「依存」という言葉は“何かに寄りかかる”という意味です。 お互いに依存し合う「もたれあい」は適度であれば美徳と捉えることもでき、協力や...

2018/10/05 18:30掲載

日本はすでにギャンブル大国? 「ギャンブル依存症」について

日本はすでにギャンブル大国? 「ギャンブル依存症」について

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 2016年12月15日、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備推進法が衆院本会議で可決されました。いわゆる「カジノ法」です...

2017/02/11 18:30掲載

金銭や物品目的ではない窃盗常習犯 「クレプトマニア」

金銭や物品目的ではない窃盗常習犯 「クレプトマニア」

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ クレプトマニア(窃盗症) は「窃盗症」ですが、物やお金が欲しくて盗み、癖となる「盗癖」とは違います。盗むこと自体が目的となってし...

2016/12/29 21:30掲載

今夜もお酒のアナタヘ 「アルコール依存」は注意して

今夜もお酒のアナタヘ 「アルコール依存」は注意して

執筆:Mocosuku編集部 近年、依存症として大きな話題にもなった「アルコール依存」。 アルコール依存とは、飲酒したときに感じる昂揚(こうよう)感や幸せな気持ち、精神的苦痛からの解放感が忘れられずに...

2016/11/16 21:30掲載

「占い依存症」  こんな占いからなりやすい

「占い依存症」 こんな占いからなりやすい

執筆:阿佐木 ユウ(フリーライター) 「結婚する or しない」 「出産する or しない」 「正社員 or 派遣社員」 他にもまだまだ出てくる、女性の人生の選択肢。 さまざまな場面での...

2016/10/16 21:30掲載