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もしもの時の応急手当て法:やけど編
「やけど」は日常的なケガのひとつで、熱湯・火・電流・薬品などに触れたときに皮膚や組織が損傷された状態をいいます。皮膚は体内への細菌の侵入を防いだり、水分や体温を保つ働きをしています。
重症のやけどになると、この働きが失われてしまい、感染症や血圧・体温低下などの合併症をおこすこともあります。
やけどの原因は以下の4種類に分類されます。
1.温熱やけど
熱湯や火などの熱いものに触れたときにおこる
2.電気やけど
雷や電流に触れたときにおこる
3.化学やけど
酸やアルカリに触れたときなどにおこる
4.放射線やけど
日焼けしたとき、放射線を浴びたときにおこる
やけどの応急手当てとしては「すぐに冷やす」ことが一番大切です。
冷やすことでやけどの進行をとめ、痛みを抑えることができます。冷やす際は、衣服を着た上から水道水で冷やす方法で構いません。
むしろ、慌てて服を脱がせてしまうと、深いやけどになってしまったり、水泡が破れて痛みが強くなったりと、治りが遅くなってしまいます。
やけどをした部位や年齢により一概にはいえませんが、15~30分間冷やすとよいでしょう。
広い部分のやけどでは、清潔なタオルやシーツで覆い水をかけたり、水に浸した清潔なタオルやシーツなどで冷やします。また、化学やけどの場合は、身体にかかった薬品を素早く洗い流して下さい。
そして、やけどをした部分は、その後腫れてきますので、腕時計・指輪・ネックレスなどのアクセサリーはすぐに外しましょう。
やけど負った部分を優しく覆い冷やしながら、なるべく早く皮膚科医の診察を受けるようにしましょう。早めに適切な治療を開始することで、早くやけどを治して傷跡を最小限にすることができます。
自分の判断でやけどした部分に軟膏やアロエなどを塗ることは控えたほうがいいでしょう。
もしもの時の応急手当て法:出血編
出血には「外出血」と「内出血」があります。身体の表面の傷からの出血が外出血であり、いわゆる通常言われる出血です。
一方、内出血とは外から見えない身体の内部での出血です。
出血は血管の種類によって「動脈性出血」「静脈性出血」「毛細血管性出血」に分かれます。
動脈性出血
鮮やかな赤色の血が勢いよく出るのが動脈性出血です。自然に血が止まることは少なく、太い動脈からの大量の出血では死に至る可能性がありますので、至急救急車を呼び、その間に応急手当てをおこないましょう。
静脈性出血
暗い赤色の血がドロドロと湧きでるのが静脈性出血です。細い静脈の出血では、出血している部分を強く抑えて圧迫することで止血が可能です。
しかし、太い静脈を出血すると、止血されにくく、生命に危険が及びます。
毛細血管性出血
毛細血管性出血は、「毛細血管」というとても細い血管からにじみ出るような出血が特徴で、出血部分を圧迫することで止血できます。
ヒトの血液量は、体重1kgあたり約80mlです。そのうち3分の1以上の血液を失うと生命が危険な状態に陥るため、傷からの多量の出血がみられる場合には直ちに止血をしなくてはなりません。
止血には以下の方法があります。
直接圧迫止血
出血している傷口を清潔なハンカチやガーゼなどで直接強く押さえ、しばらく圧迫します。出血量が多い時には両手を使って強く圧迫しましょう。
血が滲んできたら、ガーゼやハンカチを重ね、きつめに圧迫しながら包帯を巻きましょう。
止血する際は、感染を防止するためにビニール袋やビニール手袋などを利用することがおすすめです。
傷から多量に出血している場合には、まずこの方法で止血をおこない、さらに病院を受診しましょう。
間接圧迫止血
出血している傷口より心臓に近い動脈を手や指で圧迫して、血液の流れをとめて止血する方法です。
止血の際には、直接圧迫止血が基本です。間接圧迫止血は、直接圧迫止血がすぐにおこなえない時(ハンカチやガーゼなどを準備するまでの間など)に応急でおこなうものです。直接圧迫止血を開始したら、関節圧迫止血は中止しましょう。
もしもの時に日頃から応急手当の方法を知っておくことで、万が一の時に適切な手当てをほどこすことができます。
応急手当てをしながら、救急車の到着を待ったり、早めに病院へ受診していきましょう。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
保健師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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