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執筆:影向 美樹(歯科医師)
「虫歯がある」とわかっていても、歯医者に行くのを億劫に感じる方や、仕事が忙しくてなかなか歯医者に通えないという方もいらっしゃるでしょう。
そのうち虫歯の存在も痛みも気にならなくなってきて、気が付けば何年も放置していた、といったケースは歯科においてもめずらしくありません。
しかしたとえ痛みが消えたとしても、虫歯の原因である細菌が消えたわけではありません。
虫歯菌は知らない間に、体の中の違う場所へ運ばれてしまうこともあります。これによって思わぬ病気に見舞われることも。
今回は虫歯を長く放っておくことで起こりうる、様々なトラブルについてご紹介したいと思います。
虫歯を放置して起こるお口のトラブル
まずは虫歯を放置しておくと、お口の中でどのようなトラブルが起こり得るのかを見てみましょう。
激しい痛みがでる
虫歯は初期の段階ではほとんど痛みはありませんが、次第に冷たい物や熱いものがしみてきます(C2程度)
しかしそのうち噛むだけで痛んだり、何もしなくても痛んだりし始めます。その痛みも激しさを増し、いずれは夜も眠れないほどになってきます(C3からC4)。
神経が死ぬと歯の寿命が縮まる
虫歯が歯の神経に達してしまうと、時間をかけてその機能を失い、やがて神経は死んでしまいます。それと同時に、その歯に栄養を送っていた血管の機能も働かなくなります。
そのため神経が死んでしまうと痛み自体はなくなりますが、その歯の寿命は一気に縮まってしまいます。
歯の形が変わることで噛み合わせにも変化が起こる
虫歯によって歯が欠けたり、大きさが変わってしまうと、隣接する歯や噛み合わせる歯の位置のバランスが崩れ、歯並びや噛み合わせも変化します。
これによって歯並びが悪くなったり、噛みにくくなるほか、顎の関節にも異常をきたす場合もあります。
強い口臭の原因になる
虫歯を放置すると、その穴に溜まった食べかすなどが腐り、強い口臭を発生させる原因になります。
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