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下痢の種類
下痢は、水分量が増加する原因によって大きく次の4つにわけられます。
浸透圧性下痢
腸の外から水分を取り込もうとする性質(浸透圧)が高い食べ物(砂糖や塩分が多いものなど)や、下剤などが腸管内にたまると、腸内に多くの水分が残り下痢をすることがあります。
これを「浸透圧性下痢」といいます。
滲出性(しんしゅつせい)下痢
細菌性腸炎やウイルス性腸炎などで腸内に炎症があると、炎症している部分から細胞内の体液や血液が腸内ににじみ出し、水分量が増えることがあります。
これが原因で起こる下痢を「滲出性下痢」といいます。
分泌性下痢
コレラ菌や赤痢菌などが原因で、消化管の粘膜からの分泌液が増えてしまうことがあります。
その結果、腸内の水分量が増えて「分泌性下痢」を引き起こします。
腸管運動異常
腸では、口から摂取したものを肛門に運ぶために蠕動運動(ぜんどううんどう)が行われています。
過敏性腸症候群などが原因で、この蠕動運動が活発になりすぎることがあります。
過敏性腸症候群とは、ストレスなどに起因して消化管の運動機能に異常をきたす症状で、下痢をくりかえす「下痢型」、便秘をくりかえす「便秘型」、下痢と便秘の両方をくりかえす「混合型」、そしていずれのタイプにも属さない「分類不能型」に分けられます。
なかでも下痢型は、ストレスで腸の機能が必要以上に高まり、蠕動運動が活発になりすぎていると考えられます。
蠕動運動が活発化しすぎると、腸の内容物は腸内を速いスピードで通過することになります。
そうすると、腸内で水分が十分に吸収されないまま便として排出されるため、下痢になることがあります。
このように、ひとくちに「下痢」といっても、いくつかのタイプにわけられます。
それでは、お酒の飲みすぎによる下痢はどれに当てはまるのでしょうか?
お酒の飲みすぎが下痢の原因となる理由
「アルコールは肝臓で分解される」、ということは多くの方がご存知でしょう。
口から摂取したお酒は、ほかの食べ物と同じように、まずは胃や小腸などで吸収されます。
なかでも小腸は約80%ものお酒を吸収しています。
お酒を飲みすぎると、小腸の粘膜にある酵素の働きが弱まって、糖や脂肪、水分、ナトリウムなどが吸収されにくくなり、浸透圧性の下痢になることがあります。
さらに、小腸で消化、吸収されなかったものが大腸に流入し、排出物が増えます。
そうすると、未消化・未吸収物を早く排出しようと、大腸の蠕動運動が活発になり、通過するスピードが速くなります。
その結果、水分の多い状態で便が排出され、お腹を下してしまいます。
ちなみに、飲酒による下痢の頻度は、30~60%といわれており、決して珍しい症状ではありません。
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