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お酒と健康に関する科学的知見
飲酒と健康については、科学的な研究も盛んにおこなわれているようです。次のような結果が比較的知られています。
飲酒と死亡率の関係
米国で研究発表され、その後、日本でも2012年に示されたのは、「適量飲酒による冠動脈心疾患の予防効果」で、適度の飲酒は生存期間を3%伸ばし、男性の冠動脈心疾患の死亡率を4%引き下げるといった、疫学的結果が公表されました。
また、これに関連して、飲酒はコレステロールの酸化変性を抑制し、虚血性心疾患を予防するとも言われます。
これもまた、適量の飲酒が死亡率を下げるという「U字型関係」を支持する知見とされています。
飲酒と認知症
認知症の発症リスクが適量の飲酒者の場合、非飲酒者よりも20~40%低下するという、欧米の報告(※)もあるそうです。
日本でも国立がんセンターで行った調査では、日本酒を1日1合飲む人は、全く飲まない人に比べ、全死亡率が低いという調査結果もあります。
さまざまな病気のリスク低下
このほか、心臓病での急死や卒中リスクが低くなる、女性ホルモンのエストロゲン値を高め骨粗しょう症のリスクを低減させる、赤ワインは心臓病の発作を30%減少し、胃潰瘍の原因となるピロリ菌を除去する働きがある、などといった知見もあるようです。
まさに、現代版「酒は百薬の長」といった感じではないでしょうか。
薬は毒でもある!
しかし、こうしたお酒の効用も、今では、必ずといってよいほど「適量」ということが但し書きされています。
薬の場合、おもな薬効をきたすためには、医師や薬剤師の指示で、用量・用法をきちんと守ることが強調されています(アドヒアランス)。
同じように、お酒も薬のように考えてみると、用量・用法、つまり、飲む量と飲みかたを適切に守らないと、健康効果ではなく、健康を害する結果になってしまうことが、非常に強調されています。
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