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お酒の強さは遺伝子で決まる
ALDH2遺伝子は、活性型(NN型)、欠損型(DD型)、部分欠損型(ND型)に大きく分けられます。
活性型は、アセトアルデヒドの分解スピードが速く、お酒に強いタイプで顔が赤くなることもありません。
欠損型は、アセトアルデヒドの分解能力が低く、ほとんど飲めないタイプで、アルコールを少量口にしただけでも、顔が真っ赤になります。
部分欠損型は、ある程度は飲めますが、アセトアルデヒド分解能力は活性型の16分の1といわれています。
欠損型ほどではないものの、アルコールの摂取により顔が赤くなるなどの反応が出ます。
このように、お酒を飲んだときに顔が赤くなりやすいかどうかは、遺伝子によって大きく左右されます。
ちなみに、日本人の約半数は活性型以外といわれています。
それでは、「顔が真っ赤になるけれどお酒が飲める」人は、どのタイプに属するのでしょうか。
顔は真っ赤なのにお酒が飲める理由
前述の3タイプのうち、活性型は顔が赤くなりません。
また、欠損型はそもそもお酒がほとんど飲めません。
よって、顔は真っ赤になるけれど飲めるのは、部分欠損型であると推定できますが、部分欠損型は本来そこまでお酒に強くないはずです。
にもかかわらず、顔が真っ赤な状態でお酒が飲める理由として、次のようなことが考えられます。
(1)「ミクロソームエタノール酸化系酵素(MEOS)」の活性化
MEOSは、異物や薬物の代謝やたんぱく質を合成する役割の酵素です。
また、アルコールを分解する作用もあり、日常的な飲酒、大量の飲酒により活性化することがわかっています。
つまり、お酒を頻繁にたくさん飲んでいると、アルコールを分解するスピードが上がり、飲める量が一時的に増える、ということが起こり得るのです。
しかし、もともとのALDH2遺伝子タイプが変わることはありませんから、「顔は真っ赤なのにお酒が飲める」という現象につながると考えられます。
(2)個人的な体質
アルコールを分解するスピードは、肝臓の大きさ(大きいほど速い)や性別(男性の方が速い)、年齢(中年は速い)なども関ってきます。
たとえば、同じ部分欠損型でも、肝臓が大きい中年男性の方が、たくさん飲めると考えられます。
また、お酒を飲むと、毛細血管が拡張して顔が赤くなりますので、毛細血管の拡張の度合も、影響しているといわれています。
総括すると、お酒を飲めたとしても、顔が真っ赤になっている以上「お酒に強い」とはいえないでしょう。
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