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スリッパを履くメリットとデメリット
保温性・安全性・衛生面の3つの観点からスリッパを選ぶ方が多いのではないでしょうか。
スリッパのメリットとデメリットをみてみましょう。
(1)保温性
フローリングなどの床を裸足で歩くと、単純に冷たいです。
スリッパの研究ではありませんが、靴下着用と裸足の場合の皮膚温変化を調べた研究があります。
その結果、冷気にさらされたとき、靴下を着用している方が皮膚温の低下率が少ないということがわかりました。
冷気に触れないという点では、スリッパも靴下と同様の保温効果があると考えられるでしょう。
(2)安全性
スリッパを履くと、物を踏む、ぶつかるなど怪我をするリスクは減らせるでしょう。
一方、スリッパが転倒の原因になるデメリットも考えられます。
とくに高齢になると、筋力の衰えや姿勢の変化などから、脱げやすい・滑りやすいスリッパは、つまずきや転倒につながりやすいのです。
高齢者の骨折は寝たきりになるリスクを含んでいますから、室内といえども注意を要します。
また、スリッパを履いて階段の上り下りをして、滑る・転ぶなどの危険性は誰にでもあります。
足のサイズに合っていないスリッパや、デザイン性重視で機能性が低いスリッパを履いていませんか?
室内でよくつまずいたり転んだりする、という方は、スリッパ選びを見直してみましょう。
(3)衛生面
衛生面から見たメリットは、足の裏の皮脂が床につかず、足も床も汚れにくい点です。
また、水虫など家族間における感染リスクを減らすことができます。
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚の角層に感染して発生します。
集団生活では、はがれ落ちた皮膚の角質片などに白癬菌がいて、床やマットなどを介して感染することがあります。
家族に水虫の人がいる場合、直接皮膚に触れないようにスリッパを履いて感染を防ぐことができます。
もちろんこの際スリッパを共用してはいけません。
衛生面のデメリットとしては、同じスリッパを長時間使用して不衛生になることでしょう。
人は1日にコップ1杯分の汗を足にかくといわれていますし、蒸れた状態でスリッパを履き続けると、ニオイや細菌の発生源にもなります。
定期的にスリッパを洗う習慣も必要になります。
裸足のメリットとデメリット
「裸足」は、健康にいいといわれることがあります。
健康面・安全性・衛生面における裸足のメリットとデメリットをみていきましょう。
(1)健康面
足の裏は第二の心臓とも呼ばれます。
裸足で活動すると、足の裏が刺激を受け、脳や内臓器官が活性化し、身体の調子がよくなるといわれています。
また、裸足での生活は、ふだんから足指を使うため、「偏平足」を防ぐことができます。
偏平足になると、歩きにくい、少し歩いただけで疲れるなどの問題が生じます。
最近、「偏平足」になる人が増えているのは、足指を使わず土踏まずが作られないことが原因のひとつと考えられています。
さらに、足の指を使うと、足の裏の筋肉などが鍛えられ、歩くときの負担も軽くなります。
とくに幼少期に取り入れると効果が認められる、という研究報告が多いことから、「はだし教育」として取り組んでいる保育園や幼稚園もあるようです。
(2)安全性
前述のスリッパは、脱げにくく、滑りやすいため転倒のリスクがありました。
その点、裸足は足の指でしっかりと姿勢を保持していますので、転倒のリスクは低くなります。
一方、足が保護されていないため、ケガなどのリスクをともないます。
(3)衛生面
裸足は、足の裏にかいた汗がすぐに蒸発しますから、蒸れの心配はありません。
デメリットとしては、足に傷がある場合、不衛生な環境では傷口から細菌などに感染し化膿したり、水虫に感染したりするリスクが挙げられます。
このように、スリッパにも裸足にも、それぞれにメリット・デメリットがあります。
両者の特徴を知ったうえで、生活スタイルや生活環境などにより使い分け、賢く活用するとよいでしょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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