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延命か老衰か:私たちの選択が可能
「いかに生きながらえるか」という難問にチャレンジして医学・医療は発展し、超高齢社会が達成されてきました。延命の技術としての医学はなおも進歩を続けています。
その一方で、延命治療をしないで穏やかな老衰によって死んでいく人も増えています。
戦争や大災害、犯罪に巻き込まれるといった事故・事件がなければ、今、日本人の私たちは「延命か老衰か」を選択できる時代を生きています。
ですから「どう死にたいのか」を考えたり、話し合ったりする時間をもっと大切にする必要があるでしょう。
NNKではなくPPK!
「ただ長生きをするだけでなく、亡くなる直前まで元気に活動する」というのがPPK(ピンピンコロリ)で、対になっているのは「長期の寝たきりで亡くなる」NNK(ネンネンコロリ)なのだそうです。
長寿社会で健康寿命を伸ばすことが課題になっている中、こうしたコトバが流行るのでしょう。
老化を予防する概念として「フレイル」ということが言われています。
運動不足や栄養不足などが老化と合わさって、病気にかかりやすくなったり寝たきりになりやすい「脆弱性」のことを指しています。
健康日本21(第2次)ではフレイル対策がキーワードともなっています。「健康寿命を伸ばすべく、よく食べ、しっかり運動し、よく眠ろう!」というわけです。
多分、そうした努力を怠らず若いときからPPKを心がけたから、いよいよとなって老衰が受け入れられて「穏やかな死」を迎えられるのかもしれません。
【参考】
・政府統計「平成29年我が国の人口動態」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf)
・NHKスペシャル取材班『老衰死』講談社、2016.
・社会福祉法人 世田谷区社会福祉事業団『世田谷区立特別養護老人ホーム 芦花ホーム』(http://www.setagayaj.or.jp/service/nursinghome/roka/)
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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