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先天性と後天性の夜盲症
夜盲症には先天性と後天性があり、さらに、先天的の夜盲症には進行性と非進行性(停止性)があります。
先天性進行性夜盲症
光を感じる「網膜」に異常がみられる「網膜色素変性症」は先天性進行性夜盲症の代表格です。
夜盲以外にも視野が狭くなる視野狭窄(しやきょうさく)や視力の低下などの視覚障害もみられる遺伝性の難病です。
先天性非進行性夜盲症
幼児期に夜盲症があっても、進行せず視力や視野に異常はきたしません。
暗いところ以外では普通に日常生活を送ることができます。
「小口病(おぐちびょう)」といって眼底が剥げかかった金箔のようになる病気や、「白点状眼底」と呼ばれる眼底に小さな点が見られる症状などが挙げられます。
後天性夜盲症
網膜の炎症「網膜脈膜炎(もうまくみゃくまくえん)」やビタミンA欠乏症による夜盲症が代表的です。
ただし、昔と違って現在の日本の食生活では、ビタミンAの欠乏による夜盲症はあまり見られないと専門家は述べています。
ビタミンA欠乏症について
ビタミンAの欠乏は、夜盲症のほかにも皮膚や粘膜の乾燥、免疫機能の低下などを引き起こします。
ビタミンAは正常な細胞分化に欠かせない役割を担うのですが、体内では合成できないため食品から摂る必要があります。
不足すると、皮膚や粘膜など上皮細胞の機能低下や、成長阻害の原因になる可能性が考えられます。
さらに夜盲症においては、ビタミンAは目の網膜で光を受光する「ロドプシン」の原料になります。
ロドプシンが合成できなくなると網膜の機能が損なわれ、暗順応に病理が起こります。
ビタミンA欠乏症の予防には、「レチノール」が多く含まれるウナギやレバーなどの摂取が推奨されていますが、過剰に摂取するとめまいや肝臓の機能低下、骨がもろくなるなどの過剰症についても懸念されています。
なお、緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは、体内で分解されてビタミンAに変換されますので過剰摂取の心配はありません。
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