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無縁社会
2010年にNHKが制作した報道番組のタイトル「無縁社会」。
この年の「新語・流行語大賞」に「イクメン」「AKB48」などとともに選出されました。
家族・地域・会社などといったさまざまな場面で絆が薄れ、増加する孤立者がクローズアップされました。
かつての血縁・地縁、社縁なるものは「しがらみ」と敬遠され、核家族化・非婚化・長寿化が拡がって絆(つながり)を失った人たちが増えている、という指摘でした。
たとえば、家族と音信不通、引きこもり、シングルマザー、おひとりさま、孤独死などが増加しているというのです。
番組は大きな反響を呼びました。
それだけ多くの人が同様の不安を抱えていたからでしょう。
「孤独病」という病
2015年に精神科医の片田珠美医師は「孤独病」を提唱しています。
ファミレスで一緒にテーブルを囲む家族よりもスマホ相手に夢中になる姿を目の当たりにした片田医師は、高度情報化社会の促進や昔ながらのコミュニティの崩壊が、孤独を時代の病・社会の病としての「孤独病」にしたと指摘しています。
2010年の「無縁社会」の警鐘は、2015年になっても全く改善されていなかったということでしょう。
そして、イギリスのように「孤独」を政治的・経済的に支援する発想や感覚もないようです。
それでは、孤独病は「自己責任」に起因する失敗なのでしょうか?
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