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ただし!「マンモグラフィ検査」にも限界はある
しかしながら、マンモグラフィ検査に限界があることもわかってきています。
マンモグラフィ検査は、2枚の透明な板で上下左右から乳房をぎゅっと押さえてレントゲンを撮る検査法です。
この画像では、がんがある場合、白く映し出されます。
しかし、乳腺も同じように白く映ってしまうため、乳腺が特に発達している若い女性や、乳腺の密度が高い「高濃度乳房」の女性では、がんが発見されにくかったり、逆に実際は異常のない人が「がん」と診断されてしまったりするケースもあるのです。
「高濃度乳房」の判定と現状
乳房のタイプは4段階に分かれています。
乳腺密度が高い順に、「高濃度乳房」「不均一高濃度」「乳腺散在」「脂肪性」に分類されます。
そして、日本人のおよそ5〜8割は「高濃度乳房」か「不均一高濃度」に該当すると考えられています。
自分の乳房がどのタイプなのか、気になる女性は多いでしょう。
このような状況を受け厚生労働省は、2017年に「高濃度乳房」の判定を女性に通知する体制を整えると発表しています。
しかし、現時点で実施している自治体は少なく、対応も完全に定まっているわけではありません。
「高濃度乳房」はあくまでその人の乳房のタイプですが、乳がんのリスク因子を否定はできません。
なおかつ、一つの所見であって病気ということではないのです。
こうした点に運用の難しさがあるため、誤解を招かないように正しい認識を広めなければなりません。
マンモグラフィとあわせて超音波検査を行う、さらにはMRI検査やPET検査などを行うといった病院や検査機関もあります。
ただし、実施施設はごく限られており、検診目的になると自費なので高額になる可能性は否めません。
将来的には、その人の乳腺タイプや遺伝のリスクなど、個人にあったオーダーメイドな検診の普及が望まれます。
現段階で言えるのは、自分の身体をよくモニタリングして、気になる兆候を見逃さないよう心がける、ということでしょう。
【参考】日本経済新聞『乳がん見逃すリスク「高濃度乳房」知って 厚労省、通知体制を整備』(2017年7月3日記事)(https://www.nikkei.com/article/DGXLZO18431920T00C17A7CR8000/)
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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