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潰瘍性大腸炎の治療
問診や血液検査に加え、X線検査や内視鏡検査を行って総合的な診断に至ります。
また、治療には内科的治療と外科的治療があり、内科的治療はおもに腸の炎症を抑え、症状をコントロールする対症療法が採用されています。
薬物療法では、炎症を抑えるために副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)などが用いられています。
他には、血液中の異常に活性化した白血球を取り除くことを目的とした「血球成分除去療法」や、免疫調整薬や免疫抑制剤などが用いられる場合もあります。
一方、外科的治療は、内科的治療で効果が見られない、副作用により内科的治療が行えない、大量の出血がある、大腸の穿孔(大きな穴があいている)やがんの疑いがある、などのケースで、大腸全摘術が行われることがあります。
この場合、近年では小腸で便を溜める袋を作って肛門につなぐ手術が主流です。
人工肛門とは違って、手術後は普通の人と同じように生活を送ることができます。
潰瘍性大腸炎は、多くの患者が症状の改善や消失を果たすものの、再発する割合も高いのが現状です。
よって、症状の消失(寛解)を維持するための内科的治療が継続して行われます。
さらにごく一部で、発病から7~8年経過すると大腸がんを合併する患者もいますが、ほとんどの患者にとって、病気の経過が生命に与える影響は健常人と同等とみなされています。
なお、潰瘍性大腸炎は指定難病に定められており、申請手続きを行い認定されると一部の治療に公費の助成が受けられます。
認定基準は、都道府県の保健福祉担当課や保健所などで確認できます。
日常生活を過ごすうえで注意すること
食事や運動、妊娠・出産など日常生活を過ごすうえで特別に注意する事項はありません。
ただし、睡眠不足や過労、暴飲暴食、激しい運動などは控えてください。
多大なストレスが再発のきっかけになる可能性もありますから、無理は禁物ということです。
規則正しく落ち着いた生活が求められています。
患者さんのための食事療法や患者会もあります。
患者さんの体験談を見ると、外出前にトイレの場所をチェックするなど、日常生活における工夫も述べられていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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