子どものためにも。 虫歯になりにくい「おやつ」はどれ?

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子どものためにも。 虫歯になりにくい「おやつ」はどれ?

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おやつが虫歯になりやすい理由

 
一日3回の食事にも糖質は多く含まれるのですが、一方でおやつが虫歯になりやすいのはなぜでしょう。
 
その理由を整理してみます。
 

砂糖を使うものが多い

 
食事で摂取する砂糖の役割は多くの場合味付けですが、おやつで食べる甘い物の砂糖は主原料のひとつになります。
 
たとえば、肉じゃが1人前の砂糖は3g(小さじ1)なのに対して、クッキー3枚、板チョコ3かけ、それぞれの砂糖は約9g(大さじ1)、サイダーコップ1杯の砂糖は約20g(大さじ2以上)です。
 
このように、甘い食べ物や飲み物はお惣菜などよりもずっと砂糖を多く含むため、過剰に摂取しやすいことがお分かりでしょう。
 

歯に糖が残りやすい

 
食べた糖が全て虫歯菌のエサになるわけではなく、歯に残った糖を虫歯菌がエサにします。
 
おやつは次のような理由で、歯に糖が残りやすいのです。
 
・粘度が高い
キャラメル、クッキー、ウエハース、あられ、ケーキ、和菓子などは粘度が高く、口に入れるとねっとりしているため、歯の隙間に残りやすいおやつです。
 
・唾液が出にくい
チョコレート、あめ、ゼリー、アイスクリーム、ジュースなどは、あまり噛まずに食べられるおやつです。
噛む回数が少ないと唾液が出にくくなります。
 
唾液は虫歯菌が作り出す酸を中和したり、歯に残った食べかすを洗い流したりする、いわば虫歯予防の働きを持っています。
ですから、唾液の分泌が少ないと虫歯になりやすいのです。
 
・食べたあとの歯磨きが習慣化されにくい
食事のあとに歯を磨くのは習慣化されているでしょう。
しかし、おやつのあとは歯を磨かないという人は少なくありません。
甘い物が多い上に歯磨きを怠ると、虫歯になりやすい状況になるのは当然と言えます。
 
 

虫歯になりにくいおやつ

 
おやつが虫歯になりやすい理由を踏まえると、これらに当てはまらないものが「虫歯になりにくいおやつ」になります。
 
おすすめのおやつをご紹介します。
 

果物や野菜

 
イチゴやミカン、リンゴ、キウイ、ブドウ、バナナなど、果物は年間を通して多くの種類が出回っています。
 
また、とうもろこしやトマト、さつまいもなど、糖度が高い野菜もおやつに適しています。
 
もちろん果物や野菜にも糖は含まれますが、砂糖を使うお菓子に比べるとショ糖は少なく、また、水分のほか、ビタミン、食物繊維などの栄養素が豊富で噛み応えもあります。
 
ただし、果物の缶詰やコンポート、ドライフルーツ、ジャムなど、砂糖を使う加工品の食べ過ぎには注意が必要です。
 

乳製品

 
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は砂糖が少なく、水分のほか、ビタミン、カルシウムなどの栄養素を摂ることができる食品です。
 
ただし、ヨーグルトドリンクやコーヒー牛乳などは砂糖が多い製品もありますので避けたほうがいいでしょう。
 

ナッツ類

 
ナッツ類は糖が少なく、噛み応えがあり唾液の分泌が促されます。
 
とくに食物繊維が多く、ビタミンやミネラルも摂取できるアーモンドはおすすめです。
 

キシリトール入りのおやつ

 
「キシリトール」は虫歯菌のエサにならずに酸を作らず、さらに虫歯菌の増殖を抑えるとして、砂糖の代わりに利用されている甘味料のひとつです。
 
キシリトール入りのガムや飴、チョコレートなど、スーパーやコンビニでもよく売られています。
 
ただし、キシリトールは砂糖よりも甘みが低いため、砂糖で甘味を加えている製品もあります。
 
選ぶ際は食品表示の原材料を確認するようにしましょう。
 
 

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