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原材料にアルコールを含む食品のアルコール量とは?
参考までに、スーパーやコンビニエンスストアなど、私たちのごく身近で販売されている菓子類に含まれるアルコール量を測定した調査(※)を見てみましょう。
この調査では、消費者の相談に基づき、ゼリー46銘柄、お菓子21銘柄、その他の食品8銘柄の、合計75銘柄についてアルコール含有量を測定しています。
ゼリー
(「洋酒」「ワイン」などの表示があるゼリー40銘柄を測定)
・ほとんどのものはアルコール濃度0.1~1%程度
・アルコール濃度1.0%以上のものもあった
・なかにはアルコール濃度2.2%のものもあった
※ゼリー1個(125g)のアルコール量は2.75g。体重60kgでの血中アルコール濃度は0.0055%。
呼気中アルコール濃度は0.0275mg/Lとなり、酒気帯び運転の基準には至りません。
チョコレート
ウイスキーボンボンなどのようにアルコールの味を楽しむチョコレートは、一般的にアルコール濃度が記載されています。
おおよそ3%で、1粒食べても飲酒に匹敵する量にはならないでしょう。
甘酒
甘酒には2種類の製法があります。
米などの糖質を麹で発酵させる方法と、酒粕(日本酒を作る際に出るカス)を溶かして甘みをつける方法です。
前者にアルコールは含まれませんが、後者にはアルコールが含まれます。
通常市販の甘酒は、酒類に分類されないようにアルコール濃度1%以下に調整されています。
たとえば、アルコール濃度が0.9%だったとして、60kgの人が200ml飲んだ場合、血中アルコール濃度は0.0036%。
呼気中アルコール濃度は0.018mg/Lとなり、酒気帯び運転の基準には至りません。
※名古屋市消費生活センター『洋菓子等に含まれるアルコール量』(https://www.seikatsu.city.nagoya.jp/files/anzen/file/ALCHOL.pdf)
そうは言っても…油断はできません!
これまでの結果をみる限り、原材料としてアルコールを含む食品は、1人前の量では酒気帯び運転の基準を超える可能性は少ないと言えます。
ただし、車を運転する場合は周囲の人も含め次のような点を注意しましょう。
量を多く食べない
手作りのアルコール入り食べ物ついては含有量が定まらず、アルコール摂取量が多くなる可能性が否めない以上は避ける方がよい
アルコールの処理能力には個人差があるため、酔いやすい・お酒が飲めないなど、お酒に弱い体質の人は避ける方がよい
換算式はあくまでも目安です。
アルコールを含む食品を食べたあとは絶対に運転してはいけない…ということにはなりませんが、表示をよく確認して、またご自身の体調や体質も考慮したうえで、運転をしてよいか判断するようにしましょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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