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行列マーケティング
「行列マーケティング」は、このような同調行動を活用したマーケティング手法の一つです。
意図的に行列を作り、待たせたり焦らしたり煽ったりすることで人々の期待感を高め、集客率を上げていく方法です。
そうすると、「バンドワゴン効果」という現象が起こり、満足感や信頼感の強化が期待できると考えられています。
このバンドワゴン効果とは「ある選択を支持する人が多ければ多いほど、その選択が正しいと思い込む群集心理」のこと、いわゆる『勝ち馬に乗る』『トレンド』という意味です。
同調行動の根底には「長いものに巻かれたい」「付和雷同」といった、集団に同調して“安心感を得たい”という群集心理が働いています。
行列マーケティングはそんな人間の心理を巧みに突いた商法と言えるでしょう。
脳科学の研究:セロトニンが辛抱強さを促進する!
行列への同調行動が“安心感を得たい”という心理に支えられて定着していることに関して、このほど脳科学の分野から、この現象を支持するような興味深い研究結果が出されています。
複数の研究機関が共同で行った研究プロジェクトで、沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニットは、光を使ってたんぱく質を制御する、光学と遺伝学を融合した光遺伝学の手法を用いて、脳内の特定の神経細胞の活動を制御する試みを行いました。
そして、セロトニン神経の活動を増加させることで「辛抱強さ」が促進されるという結果を、マウスを使った動物実験により得たのです。
実験箱の壁に設置された小窓に一定時間マウスが鼻先を入れていると餌がもらえるような状況を作っておいて、光でマウスのセロトニン神経細胞を刺激すると、鼻先を小窓に入れている時間が延びたといいます。
この結果から、将来的に得られる報酬をじっと待っているとき、セロトニン神経活動が活発化することで待つ時間が増える、つまり、辛抱強さが促進されることが明らかになったのです。
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