行列に並んでしまう心理に「セロトニン」の分泌が関与!?

Mocosuku(もこすく)
  • 行列に並んでしまう心理に「セロトニン」の分泌が関与!?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

行列に並んでしまう心理に「セロトニン」の分泌が関与!?

公開日時

行列マーケティング

 
「行列マーケティング」は、このような同調行動を活用したマーケティング手法の一つです。
 
意図的に行列を作り、待たせたり焦らしたり煽ったりすることで人々の期待感を高め、集客率を上げていく方法です。
 
そうすると、「バンドワゴン効果」という現象が起こり、満足感や信頼感の強化が期待できると考えられています。
 
このバンドワゴン効果とは「ある選択を支持する人が多ければ多いほど、その選択が正しいと思い込む群集心理」のこと、いわゆる『勝ち馬に乗る』『トレンド』という意味です。
 
同調行動の根底には「長いものに巻かれたい」「付和雷同」といった、集団に同調して“安心感を得たい”という群集心理が働いています。
 
行列マーケティングはそんな人間の心理を巧みに突いた商法と言えるでしょう。
 
 

脳科学の研究:セロトニンが辛抱強さを促進する!

 
行列への同調行動が“安心感を得たい”という心理に支えられて定着していることに関して、このほど脳科学の分野から、この現象を支持するような興味深い研究結果が出されています。
 
複数の研究機関が共同で行った研究プロジェクトで、沖縄科学技術大学院大学神経計算ユニットは、光を使ってたんぱく質を制御する、光学と遺伝学を融合した光遺伝学の手法を用いて、脳内の特定の神経細胞の活動を制御する試みを行いました。
 
そして、セロトニン神経の活動を増加させることで「辛抱強さ」が促進されるという結果を、マウスを使った動物実験により得たのです。
 
実験箱の壁に設置された小窓に一定時間マウスが鼻先を入れていると餌がもらえるような状況を作っておいて、光でマウスのセロトニン神経細胞を刺激すると、鼻先を小窓に入れている時間が延びたといいます。
 
この結果から、将来的に得られる報酬をじっと待っているとき、セロトニン神経活動が活発化することで待つ時間が増える、つまり、辛抱強さが促進されることが明らかになったのです。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【脳】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

糖質の摂りすぎで脳が混乱!? 糖質の依存性とは

糖質の摂りすぎで脳が混乱!? 糖質の依存性とは

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 糖質は人が生きる上で欠かせない重要な栄養素ですが、摂り過ぎると身体に悪影響を及ぼします。 ...

2019/04/09 18:30掲載

喧嘩をしたとき…どうして女性は過去の出来事を連鎖的に思い出すのか?

喧嘩をしたとき…どうして女性は過去の出来事を連鎖的に思い出すのか?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 男女がけんかをすると、女性は「いきなりキレる」「過去のことを何度も蒸し返す」など、男性を悩ませるといわれます。 このことは「男性脳」「...

2019/03/19 18:30掲載

行列に並んでしまう心理に「セロトニン」の分泌が関与!?

行列に並んでしまう心理に「セロトニン」の分泌が関与!?

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ ラーメン屋など人気店に見られる長蛇の列、新しいゲームや電子機器などの発売前に徹夜で並ぶマニアたち、スポーツの試合やコンサートを何時間...

2019/02/26 18:30掲載

若い人も無縁ではない… 近年増えている『若年性脳梗塞』

若い人も無縁ではない… 近年増えている『若年性脳梗塞』

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 高齢者に多いイメージがある脳梗塞。 じつは今、30~50代の比較的若い世代でも脳梗塞を起こすケースが増えている実態をご存知です...

2019/02/05 18:30掲載

交感神経の衰えで、食べなくても太っちゃう? 「モナリザ症候群」

交感神経の衰えで、食べなくても太っちゃう? 「モナリザ症候群」

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 「モナリザ」といえばレオナルド・ダ・ ヴィンチが描いた、有名な女性の肖像画が思い浮かびます。 ...

2019/01/15 18:30掲載