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朝、学校に行ったら机の引き出しがゴミでいっぱいだった…。
いきなり後ろからケリを入れられて顔面から床に倒れて鼻血が止まらない…。
反感を持つ同級生が周囲を扇動して取り囲まれて土下座を強要される…。
これらは学校におけるいじめの一例です。
今日もどこかの学校でこのような被害に合う人がいるかもしれません。
被害にあった子どもは一生消えない心の傷を負います。
人が信じられなくなると、社会で能力を発揮することが難しくなる傾向があります。
自己価値を疑うようになるので、大事なところでも頑張ることができにくくなるのです。
いじめ被害による心の傷は、本人が持っている将来の可能性を奪いかねない深刻さを持っているといえるでしょう。
特に、新学期が始まる4月は、注意すべき時期。クラス替え、新入学など環境も大きく変わるので、いじめが起こらないか充分なチェックが必要です。
このようないじめの被害から子どもを護るために親にできることはないのでしょうか。
学校心理学に詳しい臨床心理士で神奈川大学教授の杉山崇先生に聞いてみました。
子どもをいじめから守るために親ができる2つのこと
子どもに被害を避ける方法を教える
子どもに教えるべきことは、まずは「学校にはいい人もいるけど悪い人もいるかもしれない」ということです。
悲しい現実ですが、どのような犯罪者もかつては子どもでした。学校に通っていました。
ターゲットを狙っている悪質ないじめ加害者が隣にいる可能性もあるのです。
このような加害者が狙うのは自己主張が少なく服従的で気がいい子どもです。
落ち度なしに嫌なことをされたら、嫌だと言える勇気、大人に相談できる勇気を日頃から育ててあげたいですね。
そのためには、事件になったいじめ関連のニュースを家族で調べてみるのも一つの方法です。
これは、いじめ予防リテラシーを育ててあげることで、いざというときに効果があります。
悲惨な話題なので抵抗があるかもしれませんが、学校で防犯リテラシー教育をしているのと同じです。
いざという時の免疫を付ける意味でも、いじめ予防リテラシー教育は考えてあげてください。
学校とコンタクトがとれるパイプを作っておく
また、学校とコンタクトが取れるパイプとしてはまずは担任の先生とのコンタクトを大事にしてください。
担任の先生はいざという時にいじめがエスカレートする前に手を打てる重要なキーパーソンです。
機会があればできるだけ担任に協力するようにすることを基本として、時にはクラスの状況や学校行事について意見を求めたり、説明を求めたりする態度も取り入れてお付き合いするといいでしょう。
時間と労力に余裕があればPTAや学校ボランティアに参加して担任以外の先生方ともパイプを作っておくとなお安心です。
また、担任の先生が極端に個性的だったり、お子さんにあまり好意的でなかったりする場合もあります。
そのようなときはお電話でも構いませんので教育委員会の相談窓口にコンタクトしてください。
教育委員会は学校を監督する立場にあるので、父兄からの声は企業で言えば消費者の声と同じです。
先生が個性的で心配…、子どもに好意的でない気がするのですが…、といった相談でも対応してくれます。相談があったことは原則秘密です。
希望しないかぎり学校に知られることもありません。
いじめが発生した時に担任が頼りにならなかったとしたら、教育委員会を頼るのが近道です。
いざという時に担任に頼れないという予感が強い時は、予め教育委員会に相談しておくと万一の時に相談がしやすいものです。
学校を監督する立場なので、何らかの手立てを教えてくれます。
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