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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
「親が離婚していると子どもも離婚する」という話をあなたは信じますか?
ウェブサイトで「離婚と遺伝」を検索すると、多くの共感意見が寄せられています。
では、実際にはどうなっているのでしょうか。ご一緒に考えてみましょう。
離婚と遺伝の関係を示すデータはない
厚生労働省によると、2016年1月に発表された人口動態統計では、全国で離婚件数は225,000組で、人口千人当たりの離婚率は1.80となっています。
1990年代後半になって離婚率は高まり、2000年から2009年まで離婚率は2.0を超えていました。2010年からここ数年は、減少傾向にあって現在に至っています。
この数字はさらに、年齢や同居年数などで分析され、そこからたとえば、最近の熟年離婚の増加なども指摘されています。
しかし、親の離婚と子どもの離婚の相関については、残念ながら統計的な結果を得ることはできませんでした。
ですから、「親が離婚していると子どもも離婚する」という一般的傾向はあるとは言えないというのが回答です。
遺伝とは
遺伝とは、そもそも「生殖によって親から子へと形質が伝わる現象を指す、生物学的概念」です。
もちろん、日常生活ではっきりと眼に見えるカタチ、たとえば、黒い瞳の親から黒い瞳の子どもが、白い肌の親から白い肌の子どもが産まれたなどから、生物学のことを知らなくても遺伝現象を理解することはできます。
しかし、それが遺伝していると確かに言うためには(つまり、疑似遺伝ではないことをハッキリとさせるためには)、生物学会などで認められている手続きによらなければなりません。
たとえば、血液型のDNA親子鑑定などが有名ですね。
このレベルで、離婚と遺伝との関連は証明されていません。
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