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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
「依存」という言葉は“何かに寄りかかる”という意味です。
お互いに依存し合う「もたれあい」は適度であれば美徳と捉えることもでき、協力や協調を大事にする文化を築き上げてきました。
しかし、それなしではいられない、そのために他のすべてを犠牲にするなど、極端な「寄りかかり」になると病的な様相を呈し「依存症」と呼ばれます。
さまざまな依存症のなかから、今回は「アルコール依存症」について解説します。
アルコール依存症:酒浸りがやめられない
WHO(世界保健機関)はアルコール依存症の診断にあたって、次のような基準を定めています。
アルコールを飲みたいという強い欲望、強迫感
・終業前になると決まって飲みに行くことばかり考えている
・自宅に酒を常備しておかないと落ち着かない
・酒を入手するためなら面倒もいとわない
アルコールの飲み方をコントロールすることが困難
・意思に反して飲んでしまう
・多量飲酒
・臓器障害を起こすまで飲む
・医師から禁止されても守れない
飲むのを止めたり減量したりすると離脱症状(=禁断症状のこと)が出る
・イライラして落ち着かない
・発汗や微熱
・不眠
・振戦(ふるえ)
・動悸
・こむらがえり
・妄想や幻覚
始めは少量だったが、段々と飲む量を増やさなければならない「耐性」が出る
・かつてと同量では酔えないので飲酒量が増えていく
アルコールのために他のすべてが犠牲にされる
・飲酒のために家族と過ごす時間や会話がなくなる
・飲んでばかりいて他のことができなくなる
・休日も二日酔いでゴロゴロ寝ているばかり
明らかに有害な結果が生じているのにやめられない
・肝臓病や高血圧などアルコールに関連した身体の病気
・抑うつ状態
・家庭内トラブル
・飲酒で信頼を失う
・飲酒運転などの違法行為
・職場や学校でのトラブル
・借金などの経済問題を抱える
診断に際しては専門医の診察が必要ですが、過去1年間で3項目以上当てはまると、アルコール依存症と診断される目安となります。
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