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執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
ゲームが気になってスマホが手放せない、休みの日は際限なくゲームにのめりこんでしまう…
そんな状態に陥っている人はいませんか?
アルコール依存症などと同じく「ゲーム依存症」はれっきとした病気であると認定されました。
もしかしたら、気づいていないだけであなたやまわりの友人・家族にも黄色信号が点灯しているかもしれません。
早速ご一緒に詳しく見ていきましょう。
ゲーム依存が病気と見なされる理由
かつての「ゲーム」は、おもに自宅のテレビやパソコンを使って遊ぶものでした。
したがって、場所や時間などの物理的な制約が伴いました。
しかしインターネットが普及し、スマホ等を一人一台持つのが当たり前の現代、ゲームはいつでもどこでも気軽に楽しめるようになりました。
なかでも、スマホによるゲーム依存は深刻な社会問題に発展しています。
もちろん、「アルコール依存症」が病気であっても、アルコールそのものが悪いわけではないことと同じで、ゲームがすべて問題という意味ではありません。
適度に楽しむ分には、ストレス発散やリフレッシュに役立つ娯楽にもなります。
ただし、日々の生活よりもゲームを優先するようになると話は違ってきます。
人間関係や学校生活、仕事などに支障をきたし、その状態が長く続いている場合は「依存」と言えるでしょう。
ゲーム依存は、これまで問題視されつつも、病気とする根拠は確立されていませんでした。
しかし2018年6月、WHO(世界保健機関)がICD(国際疾病分類)とよばれる世界的なガイドラインを改訂する案の中で、ゲーム依存症を病気のひとつと認定したのです。
ポイントを簡単にまとめると、
・自分でゲームをする時間や頻度をコントロールできない
・日常生活よりもゲームを優先する
・問題が起こっていてもゲームをやめられない
という状態が1年以上続いていることが、診断の基準となります。
ただし、状況が深刻な場合は、1年未満の期間でもゲーム依存と見なされるケースもあります。
正式な診断名は「ゲーム障害」と言い、2019年5月のWHO総会で決定される方針となっています。
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