妊娠超初期 とは:症状、生理と着床出血、注意すべきこと

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妊娠超初期 とは:症状、生理と着床出血、注意すべきこと

公開日時

妊娠超初期から妊娠初期にはどんな症状が現れる?

 

妊娠超初期症状

では、この時期に出現しやすい症状について以下にご紹介しましょう。

 

出血

生理予定開始日一週間前~生理予定日頃に少量の出血があったときは、「着床出血(受精卵の子宮内着床時の出血)」の可能性があります。
この着床出血については、後述する「超妊娠初期の着床出血」の項で詳しく述べる事とします。

 

基礎体温の変化

女性ホルモンが正常に働いていると、基礎体温は低温期と高温期の2層性になることをご存知の方も多いでしょう。
月経中はエストロゲンの影響を受ける低温期になり、排卵後はプロゲステロンの影響を受けて高温期になります。
 
高温期が2週間ほど続いたのち、プロゲステロンの分泌が低下、月経が発来し体温も低下します。
しかし、妊娠するとプロゲステロンが分泌し続けるため、高温期も続きます。
高温期が二週間以上続くようなときは、妊娠の可能性は高いでしょう。
 
妊娠すると、hCG(=ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌しはじめ、プロゲステロンの分泌を維持するので、高温期が続くのです。


 

微熱・だるさ

妊娠するとプロゲステロンの影響で高温期が続くことから、微熱っぽい、だるいなど感じる人もいます。風邪かな?と思う人も多いようです。
のどの痛みや鼻水など、風邪の症状が他にないかが、区別のポイントになります。

 

頭痛

ホルモン変化、妊娠によるカラダの変化、ストレスなどが原因で頭痛を感じる人もいます。
頭痛の種類については、個人差がありますが、偏頭痛の人が多いようです。

 

眠気

微熱やだるさに伴い、プロゲステロンの影響により、体温が高いこともあり、異様に眠気を感じる人も多いです。

 

腰痛

妊娠が成立後まもなく、リラキシンというホルモンが分泌しはじめます。
これが分泌することにより、関節や靭帯がゆるみ、お産の時、赤ちゃんが骨盤の中を通りやすくなります。
 
関節や靭帯がゆるみ、筋肉がカバーしようとして緊張することから、腰に違和感や痛みを感じる人もいます。

 

おりもの

通常、排卵期にはエストロゲンの分泌が盛んになることで、比較的透明に近いような、さらっとしたおりものが出ます。
排卵後~月経前は、プロゲステロンが盛んに分泌される影響で、白っぽい、比較的粘着質なおりものがみられます。
 
これが妊娠した場合は、エストロゲンとプロゲステロン、両方分泌するので、白色から透明にさらっとした感じに変化したという人もいます。
しかし、中にはおりものが減ったという人もおり、一概におりものの量や色の変化のみで、妊娠を判断するのは難しいといえます。

 

食欲・吐き気・胸やけ

個人差が大きいですが、食欲がなくなったり胸やけがしたり、吐き気がしたり、実際嘔吐してしまうこともあります。
このようなつわりの症状は、月経予定日から1週間以上経過した後みられることが多く、この症状で妊娠に気づく方も多いですよね。
でも、中には超初期からこのような症状が現れる人もいるようです。
 
ほかにも、においに対して敏感になる場合も多いです。
妊娠により分泌しはじめるホルモン、hCGの影響が原因ともいわれており、分泌が落ち着いてくる妊娠16週を過ぎる頃には症状もだいぶ治まります。
ただ、なかには症状が続く人もいます。
 
症状の程度には、心因的な要素や環境要素なども関係するといわれています。
 

下痢や便秘

ホルモンの影響で、妊娠することによって、下痢に傾く人、便秘傾向になる人の両方があります。どちらも胎児に直接の影響はありません。
ただ子宮のすぐ後ろに腸が存在する位置関係なため、子宮を刺激することがあります。
 
下痢や便秘が続くことで市販薬などを飲んだりせず、医師に相談しましょう。

 

お腹の張り・チクチクする・子宮の痛み・腹痛

下腹部がなんとなく重い、チクチクする、お腹が張る、つれる感じなどといった症状は、妊娠して、子宮が大きくなることに伴い感じる人もいるようです。
症状に加え、出血がみられる場合は、早めに受診をしましょう。

 

胸が張っていて痛い

妊娠すると、卵胞ホルモンが活発に分泌されるようになります。
これは、子宮の発達を促すほかにも、乳管や乳腺組織を成長させる役割も担っています。
 
この卵胞ホルモンが原因で胸が張り、乳首に軽く触れるだけでも痛みを感じることがあるそう。
生理前にもこのような胸の痛みを感じる女性も多いですが、妊娠時の胸の痛みのほうが強いといわれています。
 
また、痛みといっしょに「胸のかゆみ」の症状を訴える妊婦さんも多いのが特徴です。この張りは出産時まで続きます。

 

トイレが近くなる

妊娠初期であっても、子宮の大きさは鶏の卵ほどの大きさにアップしています。
子宮が大きくなったぶん、近くにある膀胱を刺激してトイレが近くなるとも言われています。
そのため、膀胱に尿が溜まっていなくても尿意を感じて夜中に目が覚めることや、トイレへ行ってもあまり尿が出ないなどの症状を感じることが多いです。
 
もし、いつもよりもトイレの回数が増え、夜中にもトイレに何度も行くようになったのであれば妊娠している可能性があります。

 

肌荒れ

超妊娠初期のホルモンバランスの変化のため、肌荒れを感じる人もいるようです。通常は、妊娠中期には、肌荒れも改善します。

 

下腹部や足の付け根が痛い

お腹に赤ちゃんができると、出産時に向けて骨盤の下のほうが広がっていきます。
これは「リラキシン」と呼ばれるホルモンの影響によるもの。
この「リラキシン」によって、骨盤に限らず、出産に備えて関節や筋肉なども柔らかくなります。
 
赤ちゃんの成長とともに骨盤も広がり、子宮も大きくなるため、下腹部や足の付け根が圧迫され、チクチクするような痛みや突っ張るような違和感を覚えることがあるのです。

 

過敏な嗅覚

超妊娠初期におけるホルモンバランスの崩れの影響は、嗅覚にも及ぶ場合があります。
これまでは平気だった匂いだったのに、少し嗅いだだけで、 気分が悪くなるというような現象も見られます。

 

嗜好の変化

食物、飲料に対する嗜好の変化が起こる人もいます。
これまで好んでいたものが嫌いになったり、その逆だったりということが起こるのです。

 

憂鬱、イライラ

この超妊娠初期に、精神的に不安定さを感じる人もいます。
憂鬱、イライラ等の症状は、ホルモンバランスの変化によるものです。

 

唾液の量が増える

妊娠することによってプロゲステロンというホルモンの分泌が活発になり、自律神経が乱れることがあります。
そのひとつとして、唾液や鼻水が沢山出るといった症状が見られます。
 
これは「ヨダレつわり」や「唾液過多症」と呼ばれています。
ひどい場合は、一度に飲み込めないほどの量の唾液が出てしまうこともあるのだとか。同時に吐き気を感じることもあるようです。

 
 

このように、妊娠すると様々な症状を感じることがありますが、超妊娠初期の段階では、全く症状がなく、生理予定日をだいぶ過ぎてから妊娠に気づく人もいて、症状の感じ方も程度もかなり個人差があるといえます。
 
症状だけで妊娠したかしていないか、一喜一憂せず、妊娠の確定のためには、きちんと医師の診断を受ける必要があります。
早くて生理予定日一週間以降から、超音波検査で、子宮内にある赤ちゃんの袋である胎嚢と、その中に赤ちゃんの元である胎芽があるか、確認出来ます。

 
 

超妊娠初期の着床出血:月経(生理)との違いは?~時期・量・色・続く期間など~

 

受精卵が子宮に着床する時、少量の出血を生じることがあります。この生理的な現象を「着床出血」と一般的によんでいます。

この着床出血はなぜ起きるのか?医学的にまだ不明な点も多く、現在2つの説があります。
 
ひとつは、受精卵が子宮に着床する時、母体から栄養をもらうべく、子宮内膜の血管を傷つけることで出血するという説。

 
もうひとつは、妊娠が成立した際に分泌し始めるhCG(=絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが関係しているという説で、妊娠を継続させる働きをしているこのホルモンの分泌量が少ない場合、卵巣を刺激する力が弱くなり、一時的に卵巣からのホルモンが減少して少量の出血が起こる、とされています。
 
出血があると、まず「生理かな?」と考える方が大半かと思いますが、間違いやすい月経と着床出血の違いについてみてみましょう。

 

着床出血の時期

卵管で精子と卵子が受精すると、細胞分裂をくり返しながら、受精卵は子宮内に入り、子宮内膜に着床しますが、ここまで約一週間かかります。
ちょうど月経予定日の一週間程前~月経予定日前後に起こるとされています。

 

着床出血の色

人それぞれです。
赤茶色のものからティッシュにうっすら赤いものがつく位、おりものがピンク色だったり、鮮血の場合もあります。

 

着床出血の量

おりものに混ざる程度やティッシュに付着する位、おりものシートで対処できるような、ごく少量のことが多いです。

 

着床出血の起こる期間

個人差があります。1日のみ~1週間ほど続く人も中にはいます。
この他、着床出血時、軽い下腹部痛があった、下腹部が重かった、下腹部がチクチクしたなどの症状があった人もいます。
 
一方で、着床出血自体が全くない、という人もたくさんいます。
だいたい妊娠全体の1~2%にこのような出血がみられると推測されています。

 
 

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