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デバイス・ラグ
デバイス・ラグとは、新しい医療機器などが欧米諸国よりも大幅に遅れて日本に導入されることをいいます。
現状では、新医療機器の国内への導入が、日米欧の中で最後になってしまうことがほとんどであり、最近よく言われる「ドラッグ・ラグ」と共に、医療現場では大きな問題になっています。
問題点
補助人工心臓の長期使用には、血栓などができて脳梗塞を起こすリスクがあるために、臓器提供者が現れなければ、命を落とすことになってしまいます。
小児心臓移植のレシピエント(臓器提供を受ける患者)の年齢は、0~1歳児が最も多く、その児たちは、小児専門の施設に入院しています。そのため小児医療専門機関が現状より関与できるシステムが必要とならなければ、0~1歳の小児への移植が現実的なものになりません。
また、移植コーディネーターなどのスタッフの充実も急務です。増加してくると現状のスタッフ数では、対応できなくなると考えられています。
日本臓器移植ネットワークによると、今年4月時点で、移植を待っている0歳~9歳までの子どもは、15人だそうです。
ようやく補助人工心臓が使えるようになっても、心臓移植につながらなければ、結局は、命を落とすことになるため、心臓移植に対してより理解してほしい、という声は広がっています。
執筆者:南部 洋子(看護師)
監修医:岡本 良平(医学博士 東京医科歯科大学名誉教授)
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