(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
甲状腺機能低下症の症状 :突然の大量の抜け毛に注意
突然、大量に髪が抜けるようになり、疲労感や倦怠感、肌の乾燥をともなうようなら背景となる疾患を疑う必要があります。甲状腺機能低下症は40代の女性に多く、加齢による薄毛と混同されやすいので注意が必要です。甲状腺ホルモンは代謝機能に関わり、髪をつくる毛母細胞を活性化させる働きがあります。
甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、生命維持に関わる臓器への配分が優先され、髪、爪、皮膚などは後回しになります。そのため甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、髪や皮膚のトラブルとして自覚されやすいのです。
甲状腺機能はヨードの過剰摂取によっても引き起こされるので、ヨードを含む昆布、ひじき、ワカメなどの食品を制限します。治療が必要と判断されれば、ホルモン剤を服用します。甲状腺機能低下症に由来する薄毛は、甲状腺機能が回復するとともに改善していくことが期待できます。
40代という年代は社会的な立場の変化と体調の変化が重なりやすい時期です。また、女性特有の疾患も増えてきます。薄毛への対応には複合的な視点が必要です。仕事のストレスからくる男性型脱毛、ダイエットの影響を受ける慢性休止期脱毛症については生活習慣を見直して改善箇所を探しましょう。特に注意が必要なのは背景に疾患が隠れているケースです。とかくウィッグや育毛剤に関心が向きがちですが、医療機関の受診が望ましいケースもあることを知っておきましょう。
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
スポンサーリンク