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タレントのルー大柴さん(61歳)には意外な一面がありました。60歳を過ぎて社会貢献について考えるようになったルーさんは、富士の樹海の掃除や公衆トイレ掃除を定期的に行っているといいます。
トイレ掃除は、朝の日課である太極拳の仲間の影響ではじめ、月1回ペース。富士の樹海については年に2、3回掃除をしに行っているそうです。
古くから掃除は心の健康と結び付けて考えられてきました。富士の樹海や公衆トイレの掃除といった社会貢献は、ルーさん自身の心にも良い影響を与えているはず。私たちの心の健康を考える上で大いに参考になります。とりわけ、帰属してきた組織から離れたことがきっかけで発症する「定年後うつ」の予防に良いと考えられます。ここでは、掃除の効用について見ておきましょう。
日本独自の行動療法「 森田療法 」
うつ病治療に用いられる 森田療法 は「寝ること、掃除すること」を重視する、日本独自の行動療法です。日本においては、言葉による論理的な解釈をベースにした夢分析や深層心理の分析は普及しませんでした。西洋文化と異なり、日本には懺悔(さんげ)によって内面を誰かに語るという習慣がなかったことが関係していると考えられます。
医学者・森田正馬(もりた まさたけ)は、「あるがままでよい、あるがままよりほかに仕方がない、あるがままでなければならない」との思想を持ち、絶対臥褥(ぜったいがじょく)に始まる治療法、「 森田療法 」を作りました。絶対臥褥とは、食事と排泄以外の一切の行動を行わずに過ごすこと。こうして英気を養った後、掃除を中心とする軽作業に進みます。 森田療法 は現在も行われており、東洋的な行動療法として注目されています。
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