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ビジネス最前線からの撤退願望、将来&周囲の目への不安
はっきりとうつ病だと告げられ、専門医に診てもらうことになった頃には、心理状態は大きく変化していました。
ここまで考えて来て、会社再建の解決策は見つからなかった。これ以上考え続けても、うつ病は悪化するばかりで、このままでは人生が終わってしまう。ならば、まずは、自分の病気だけを治そう。とりあえず、目の前の資金繰りには一旦目途が立ったので、とにかく、自分がうつになった今の会社の今のポジションからは一旦離れよう。人がどう言おうと、撤退しよう。こう決断しました。
この段階で私を襲った「不安」は、会社を一旦完全に離れて、長期の療養をすることで、本当に回復するのか?回復しなかったら仕事も出来ず、収入もなくなり、家族を養う事が出来なくなるのでは…というものです。この不安に加えて、気になったのは周囲の目。
社員はどう見るだろうか?株主は、ベンチャーキャピタルは、経営者仲間は…きっと負け犬と見るのではないかと言った「不安」も重なり、気持ちは更に落ち込んでいったのでした。
うつ病と長期療養 : そして、長期療養へ
出張先の高知から診療内科には予約を入れ、ゴールデンウイーク明けに最初の診察を受けました。うつ病か否かの診断をするために3つくらいの筆記試験を受けました。本やネットで、お金はかかるが、3か月くらい入院するとかなり良くなるケースがあることを情報として持っていたので、とにかく、直ぐに先生から入院を言い渡されるべく、重度のうつ病となるように記入したのを覚えています。
結果、初診で先生に言い渡されたのは、以下の事でした。
・うつ病で、状況は良くない。
・回復までに早くて1年~1年半は掛かります。
・中途半端に治すと30~40%再発します。
2回目の診療で、先生に状態の悪さ(つい、自殺を考えてしまう事等)を訴え、お金は掛かってもいいので良い長期療養型施設の紹介と一週間以内での入院を懇願しました。幸運なことに、大変混んでいたにも関わらず、空きがあり、3か月の入院が叶いました。
当初、先生からは、長期療養型施設は、今すぐは空いていないが、テレビに出てくるような鉄格子のある病院なら、明日からでも入れますよと言われ、益々、自分の病気に「不安」を感じたことを覚えています。
豪雨の中、リュックサックにはち切れんばかりの衣類を詰め込んで、埼玉の郊外にあるリゾートホテルの様な入院施設を訪ねました。3か月の入院生活の始まりです。
<執筆>
村井哲之
広島大学 政治経済学部 経済学科卒
法政大学環境マネジメント研究科修士課程中退
事業構想大学 院大学 研究員
環境プランナー
リクルート、第二電電(現KDDI)等を経て、
現在、日本初の廃棄のコンシェルジェ
総合商社 (株)イブロン代表取締役
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