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便潜血検査と大腸内視鏡検査
大腸がんは早期に発見するほど負担の少ない治療を選択できる可能性が高まります。早期がんについてはほぼ完治が期待できるとされています。まだ筋層にまで達しておらず、リンパ節転移のない早期のがんであれば、お腹を切らない内視鏡治療で治すことができます(内視鏡治療後の病理検査によってリンパ節転移の可能性を判断し、必要な場合は腹腔鏡手術や開腹手術を行うケースもあります)。
便潜血検査は簡便な方法であり、スクリーニング(病気の疑いがあるかどうかの絞り込み)に適しています。大腸内視鏡検査はより精度の高い検査が可能で、早期がんの発見に優れています。
少なくとも便潜血検査を毎年受けるようにし、陽性となった場合は大腸内視鏡検査を受けます。また、罹患率が高くなる40代以降で、身内に大腸がんに罹った人がいる場合や、強い不安を感じている場合には便潜血検査の結果を問わず、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
大腸内視鏡検査は毎年受ける必要はなく、1度検査を受けて異常が見つからなければ、数年間は便潜血検査に切り替えて様子を見ます。大腸内視鏡検査と便潜血検査を上手く組み合わせることが、大腸がんの早期発見につながると考えられています。
<参考>
院内がん登録2013年集計報告
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20150803.html
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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