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運動は起床後1時間以上経ってから
狭心症を防ぐには、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙といった動脈硬化を引き起こす要因をできるだけなくすことが重要です。ウォーキングや軽めのランニングなどの有酸素運動、そして、短距離走や負荷をかけた筋トレなどの無酸素運動は共に有効です。有酸素運動には脂肪燃焼効果や、毛細血管を発達させる効果があります。無酸素運動には、筋肉の大部分を占める下肢の筋肉を強靭にし、代謝を高めて贅肉のつきにくい体にする効果があります。
ただし、血管への直接の影響については有酸素運動の方が有益だと考えられます。無酸素運動は血圧、心拍数の急上昇というリスクをともなってもいます。そのため、すでに狭心症の症状がある人には一般的に有酸素運動が勧められています。
早朝や深夜は血圧の変動が大きく、運動を行うには不向き。起床後すぐの運動は危険です。運動を行う場合は起床後1時間以上経ってから始めるようにしましょう。
狭心症の再発防止 につながる心臓リハビリテーション
狭心症の治療には薬物療法と手術があります。手術に関しては、血管から医療用の細い管を入れて行う心臓カテーテル治療と、外科手術によって新たな血流の経路を作る冠動脈バイパス手術があります。佐山さんは心臓カテーテル治療を受けています。
問題は、これらの治療を受けたとしても、動脈硬化をはじめとする危険因子が残っている限り、再発の危険があるという点です。心臓リハビリテーションには再発防止の働きが期待されています。心臓リハビリテーションは、運動療法を中心に、薬物療法、教育プログラム、カウンセリングを統合したリハビリです。
心臓リハビリテーションは次の点に注意して行います。
・体調が良いときだけ行う
・脈拍を測定する
・水分補給を行う
・食事の直後は避ける
・空腹時、薬の服用前は避ける
心臓手術後、いつまでも安静にしているのは望ましくありません。しかし、「自分は心臓が良くない」という思いから、積極的な行動をためらってしまう人もいることでしょう。佐山さんは早期に基礎運動中心のトレーニングを開始しました。そして、9・18後楽園ホール大会で予定されているあいさつで、「バック宙」を披露するアイデアもあるのだとか。こうした積極的な姿勢は、同じ病気に悩まされる人を勇気づけるものではないでしょうか。もちろん、術後の経過や体力には個人差があります。医師の指導のもとで適度な運動を取り入れることが大切です。
<参考>
初代タイガーマスク、驚異的な回復
http://www.daily.co.jp/newsflash/ring/2015/08/04/0008273481.shtml
狭心症を防ぐために(日本心臓財団)
http://www.jhf.or.jp/heartnews/vol59.html
執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)
監修:坂本 忍(医学博士)
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