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「横で見ている」だけでいい?
では、何が影響しているのでしょうか? それは「親が子供の勉強についてどう関わっているか」という点です。
子供が勉強するのを親が横について見ている、勉強する時間を守らせる、勉強をしたかどうかを確認する──といったことをすると、勉強時間が増えていたのです。
特に、父親が勉強を横で見ていると学習時間がより増加し、特に男の子についてはその効果が高いことがわかりました。母親は、横で見ているのと併せて、勉強する時間を守らせるようにすると効果が高いことも明らかになりました。
その一方で、「勉強しなさいと言う」だけではほとんど効果がなく、時に逆効果にすらなることがあったと言います。
話題の「プロママ」も実践
つまり「ゲームをやめて勉強しなさい!」というのは二重の意味で逆効果であり、それよりも親が子供の勉強をただ見守ってやるほうがずっと効果があったのです。このことは、東大に入学する学生の半数以上が行っていたとされる「リビング学習」とも符合しています。
勉強に集中させようと個室に閉じ込めるよりも、リビングで人が見ている中で勉強したほうが適度な緊張感と安心感が得られ、結果的により集中できるとされています。これに合わせ、リビング学習に適した机やインテリアなども登場しています。
親が子の勉強に関わるという意味では、さらに強烈な例もあります。国内最難関と言われている東京大学理科三類に3人の息子を全員合格させ、『受験は母親が9割』の著書で知られる「プロママ」こと佐藤亮子さんが実践したのが、「問題集をママが用意する」というもの。
子供が書店であれこれ参考書などを選ぶ時間を省き、そのぶん勉強時間を増やすことが狙いだそうです。なるべくイラストやマンガの入った、子供ウケのいい問題集を探し出して与えていたと言います。
また、過去の入試問題が載っている分厚い『赤本』をカッターで分解し、1年ごとに小分けにしてコンパクトな冊子にすることも実行。電車の中などでも手軽に勉強できるように工夫したそうです。
徹底的、あるいは過剰とも見えるプロママ佐藤さんの勉強への関わり方は賛否両論を呼んでいますが、「親が子の勉強に関わる → 子はより勉強する」という結果を実証した一例とも言えるかもしれません。
<執筆>
●阿佐木ユウ(フリーライター)
<参考>
●経済産業研究所「子どもはテレビやゲームの時間を勉強時間とトレードするのか」
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/13e095.html
●ママテナ「『受験は母親が9割』佐藤ママ・超受験テク&子育てを語る」
http://mama.bibeaute.com/article/24462/
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