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脳が錯覚を起こす?
錯視の場合、目が錯覚を起こすと想像されるかもしれませんが、むしろ、脳が網膜画像からの視覚情報を処理する際に、不適切な情報を削除したり、足りない情報を補完しながら、正しい物体像を復元しようする中で、間違った物体像と鋳型合わせをしてしまうのが錯視ではないか、という見解もあります(※2)。
情報処理をする脳、適応を選択した人間
外界の事実を私たちはそのまま認識しているわけではありません。
脳や感覚器官などが情報処理(解釈といってもよいでしょう)をして、意味ある認知をするのが知覚体験です。「錯覚」を、その過程で生じるバグのようなものとみなすこともできるでしょう。
一川誠准教授(※3)は、錯覚の説明原理として、対象が変化しても知覚がそれほど変化しない「恒常性」は、人間が「正しい」知覚よりも安定した知覚を成立させるという生存への適応を選択したからではと推論されています(※4)。
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