「うちの子、大丈夫かしら…」と気になるママへ、堺雅人さんもそうだった? 学習障害 の真実

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「うちの子、学習障害かしら…」と気になるママへ。

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母親が抱くイメージ通りの成長

 

母親は子どもの成長が気になるものです。
できることがたくさんあるのに、ついついできないことに注目して心配してしまうものです。
この子は普通に育たないのではないか、自分には想像もできないような人間になってしまうのではないか…。

 

男性からすると驚くような連想ですが、日本の母親にはイメージ通りの成長、みんなと同じ成長が「できていない」ということを本当に深く心配する方が少なくないのです。

 

ですが、そのようなお悩みをお持ちのお母様方、学習障害はそこまで悲観する必要はありません。
実は学習障害を持っていたと言われている著名人も多いのです。

 

発明王エジソン、相対性理論のアインシュタイン、ハリウッドスターで実業家のトム・クルーズ…

 

彼らは学習障害でさまざまな苦労を子ども時代からしていらしたようですが、他の人にはできないような偉業をいくつも成し遂げています。
もちろん、学習障害を楽観しすぎてはいけません。
ですが誰にでも得意と不得意はあるもの。その不得意のレベルがちょっと大きいだけなのです。

 

周りの人には理解できないレベルでの苦手なので、周囲やお母様方自身には人として正しく育っていないのではないかと疑ってしまいます。
しかし、学習障害のほとんどは「できない」ことはとても限られていて、実際には「普通にできる」、「普通以上にできる」ことのほうが圧倒的に多いものなのです。

 

人生の質を改めて問う

 

学習障害の何割かは一生涯の障害となりますが、その障害に影響が小さくなる人生を探せばいいのです。
また、障害と闘う、というと大げさですが、トム・クルーズさんは特別なトレーニングで学習障害(失読症)を克服したそうです。
筆者の印象にすぎませんが、学習障害をお持ちで成功する方は、子どものころからの障害に対する周囲の反応で逆にメンタルが鍛えられて、そのことで人とは違う何かを成し遂げているようにも見えます。

 

もちろん辛い子ども時代なわけですが、人生は辛さも含めてのものです。成功する人は辛さへの対応を学ぶ機会の一つとして学習障害が機能しているようにも思えます。
大事なことはわずかな能力の欠陥に目を向けることではなく、人とは違うということをどのように受け止めるのか、そしてできることをどのように伸ばすか、なのかもしれません。

 

「うちの子、大丈夫かしら…」とお悩みのお母さま方、お子様のできることにもっと目を向けてください。でも心配に押しつぶされそうな時もありますよね。そんな時は、専門家に相談してみるのもいいかもしれません。

 
 
 
sugiyama_prof

 

<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。
公式サイトはこちら⇒ http://www.sugys-lab.com/

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