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家族のルールを文書化する
(4)のケースでは、勝手気ままな生活や非行傾向なども含まれます。この場合、父親も含めた、家族でのカウンセリングを行うのが理想です。カウンセラーは、問題の所在を明らかにし、子どもを含めた家族全員とそれらを共有します。
ここで問題となるのは、子ども自身に倫理観やセルフコントロールの習慣が育っていないことです。そして多くの場合、その背景には家族自身の教育力の弱さや事情があります。それらは、当然ながら保護者自身の課題になります。
子どもに対しては、してよいこと・いけないことを明確にし、文書として見えるかたちにするのがいいでしょう。これは「行動契約」と呼び、前述のカーニーも推薦しています。望ましいことができれば強化子(ご褒美)を与え、できなければ適切な罰を与えることもこの契約の中に記しておき、厳格に実行します。
以上、カウンセリングを用いた不登校への介入のエッセンスのみお話ししました。繰り返しますが、子どもやその家族には、それぞれ特有の事情があります。焦らずに適切な時間をかけて、これらを解決しながら、不登校の解消をしてゆくことが現実的と言えるでしょう。また、カウンセリグのほかにも、(4)に関しては、非行仲間との関係が切れにくい時など、警察の生活安全課などに相談することも有効です。
<執筆>
●近藤 俊明(こんどう・としあき)
心理学博士、東京未来大学副学長。サイコロジスト(ニューヨーク州ライセンス)、米国で特殊教育学校、病院の外来などに務め、現在はスクールカウンセラーも務める。研究領域は子どもや母親のカウンセリング、異文化間の子どもの協働と認知の発達、学校と地域の連携など
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