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子どもの貧困 「ひとり親家庭」における貧困の問題
また、厚生労働省が2012年におこなった調査によれば、「ひとり親家庭」における相対的貧困率の割合は50.8%と非常に高い数値となっています。
じつに「ひとり親家庭」の半数以上が貧困といわれる状態におかれていることになりますが、調査では「母子家庭」では80.6%、「父子家庭」では91.6%の親が就業していることも判明しています。
こうした調査の結果からは、日本における貧困の問題は「働いているのに生活が苦しい」という世帯が多い点にもあるということがわかります。
ちなみに、OECD(経済協力開発機構)が2008年におこなった調査によると、「親が働いていない」ひとり親世帯の貧困率ではアメリカがトップでしたが、
「親が働いている」ひとり親世帯の貧困率では、日本がアメリカを抜いてOECD諸国のなかでワースト1位となっています。
経済だけの問題ではない
相対的貧困とは、お金のことだけではなく、雇用や福祉、教育などさまざまな要因によって「生きることが苦しくなっている」状態をいいます。
上記の「ひとり親家庭」のケースのように「働いているのに生活が苦しい」というのは相対的貧困のひとつのパターンですが、
その「苦しさ」にも「必要な物が買えない」「支払いができない」といった経済的な面から、「相談相手がいない」というような精神的な面まで、さまざまな要素があります。
「子どもの貧困」にもいろいろなケースがあり、はた目にはわからないのが今の状況です。
背景にあるさまざまな要因を考えると、子どもの家庭の状況や問題点を行政や学校側が把握しておくということも、今後の対策や支援を考えるうえで必要なことなのかもしれません。
<参考>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shien_01.pdf
(ひとり親家庭の支援について 厚生労働省)
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/2700/186798.html
(母子家庭の貧困は自己責任? NHK Eテレ「ハートネットTV」)
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)
ライター、舞踏家/ダンサー。通販メーカーのコピーライターとして、健康食品などの広告を数多く手がけたのちに、ダンサーとして独立。国内外で公演やワークショップ活動を展開しつつ、身体操作や食事療法などさまざまな心身の健康法を探究する。現在はダンスを切り口に、高齢者への体操指導、障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などにも携わっている。
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