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宿題代行業者は問題?
近年では子どもの夏休みの宿題に目をつけた業者が現れ、「宿題を代行する」というサービスが話題になっているようです。この宿題代行サービスは、各種ドリルや読書感想文の作成、自由研究の企画・実施と多岐にわたっており、料金は数千円~1万円を超える(依頼内容により異なる)費用がかかります。
この宿題代行については、「嘆かわしい」という否定論とともに、「塾の夏期講習やその宿題などで忙しいから賛成!」という肯定論も挙がっているようです。
「依頼をする親が悪いのか」「依頼を受ける業者が悪いのか」の議論に止まらず、「宿題を手伝う」のが保護者なら容認され、業者に依頼するのは否定されるという視点も見逃せません。「何のための夏休みの宿題なのか?」を各家庭で明確にする必要がありそうです。
「知識の蓄積」を目的としたドリルなどの宿題、「考えて工夫する」という好奇心・想像力・実行力などを高めるための自由研究の宿題は学習目的が異なり、どちらも子どもの成長には欠かせません。
同時に夏休みに「目いっぱい遊ぶ」ということも貴重な経験・体験となります。とはいえ、何事も「やりすぎ!」は弊害を伴います。「よく学び」、「よく考え」、「よく遊ぶ」というバランスの取れた夏休みの過ごし方が理想でしょう。
もし、いまの時点で宿題が滞っているのであれば、極力自主性に任せつつも、時には厳しく親が指導したいものですね。
やり遂げるという体験は子どもの成長にはとても大切です。この折角の成長の機会を、「宿題代行業者」を使ってふいにすることはありません。もしやり遂げると言う貴重な体験をすれば、夏休みが終わった後には、またひとつ成長した子どもの顔がみられるに違いありません。
<参考>
・日本能率協会 アンケート概要
期間:2015年6月1日(月)~10日(水)
対象:小学生の子どもをもつ親
回答数:1000人(内訳:父親206人、母親794人)
※回答は少数点第2位を四捨五入
<アンケート出典>
http://www.jma.or.jp/news/release_detail.html?id=332
<執筆者プロフィール>
石村 衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。
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