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虐待されたわけではないけれど…
小さい頃は絶対者だった親を、一人の人間として相対化してととらえられるようになることは、健全な成長と言えるでしょう。
しかし、毒親に育てられた子供は、そのプロセスに何らかのトラブルを抱えます。例えば、親が虐待をするような人間だった場合は、自分の生きづらさとの因果関係を理解することは比較的容易です。
成育歴を振り返り、「親から殴られて育った」「食事を作ってくれなかった」などと、自分が虐待されて育ったという明確な認識を持つことができるからです。しかし、それが精神的な暴力であった場合は、本人も問題に気づきにくいのです。そして、それが正体不明の生きづらさや対人関係の問題など、間接的なかたちで現れます。
毒親の影響と生きづらさの関係
かつて、「アダルトチルドレン」(AC)という言葉が社会的現象を引き起こした時期がありました。アメリカ元大統領のビル・クリントン氏や女優の東ちづるさんがカミングアウトしたことでも有名になった言葉です。
アダルトチルドレンは医学的な診断名ではありませんが、今風に言い換えれば「毒親に育てられたという自覚がある人」です。そして現在、大人になってもそうした毒親の影響が残っていると感じている人がいます。
「明確な虐待をされたわけではない。でも、振り返ってみると、親との関係は決して心地よいものではなかった。親の影響が “毒”となって、いまの“何となく生きづらい感じ”につながっている気がする」──そんな訴えです。
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