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1.突発性難聴について
鼓膜や耳の穴の通り道である「外耳道(がいじどう)」に何の異常もないのに、ある日突然聞こえが悪くなります。
両耳が同時に難聴になることは少なく、多くの場合は片側の耳だけが聞こえづらくなります。
そのため、聞こえの悪さに気がつかず、症状が進行してしまう可能性があるので、注意が必要な難聴ともいえます。聞こえの変化以外の自覚症状として、耳鳴りやめまい、吐き気、嘔吐などがあります。
突発性難聴の原因として、ストレスが原因で耳の中の血管が収縮し、血流障害で聞こえが悪くなるという説があります。しかしこのほかにもウィルスが原因という説もあり、明らかな原因は、はっきりと分かっていないのが実情です。
過去の統計結果では、2001年には40代から50代の女性に多く見られていました。しかし最近では、10代から20代の若年層の患者も増えていて、男性患者も増加傾向にあります。
現在では、年齢や性別の差はそれほど見られなくなっていて、誰でもなる可能性のある難聴とされてきています。
治療法
ウィルスや血流障害が原因とされる説があることから、安静や休養のほかにも内服や重症の場合は点滴投与をすることがあります。
突発性難聴の特徴は、症状が出てからの進行が早く、治療開始が遅くなればなるほど回復が難しくなることです。症状が出た時は1日でも早く耳鼻科を受診しましょう。遅くとも2週間以内の受診が望ましいとされています。
治療を受けて完全に聴力が戻ったという人もいれば、半分程度まで回復したなど、個人差はさまざまです。だからこそ、1日でも早く受診することが大切だといえるでしょう。
2.急性低音性感音難聴について
ストレスや自律神経、ホルモンバランスの乱れなどが原因といわれています。ただ、突発性難聴と同じように、はっきりとした原因はまだ分かっていません。
ストレスなどの先にあげた理由がきっかけで、耳の奥にある「蝸牛(かぎゅう)」の周りを走るリンパ管が“パンパンに膨らんでしまう”という現象が起こります。すると、低い周波数を感じる神経に影響が及びます。
また音によるリンパ液の震えが通常よりも悪くなり、低い周波数の音が聞き取りづらくなります。
症状には、耳に水が入ったような違和感や耳が詰まったような感じ(耳閉感:じへいかん)、自分の声が響くといった症状が見られます。また、音自体は聞こえていても、低い音が聞こえづらい、音が歪んで聞こえる、「ザー」という低い音の耳鳴りがするなどの症状が出ることもあります。
両耳に起こることは少なく、片耳だけ症状が出ることがほとんどです。患者層としては、20代から40代の女性に多く、男性の約2倍多いという特徴があります。
治療法
リンパ管が膨れることで起こる難聴であることを踏まえ、内服治療が行われます。
自然に治ることもありますが、治療しても再発しやすく、再発を繰り返すうちに治りにくくなることも特徴のひとつです。「治療しても治らない」と自己判断せず、ほかの原因が隠れている可能性もあるため、症状を感じたら耳鼻科を受診することが大切です。
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