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3.心因性難聴について
耳や脳には何の異常も認められないのに、ストレスによって心が周りの音に対して拒否反応を起こしてしまう、これが心因性難聴です。
自覚がなく、定期健診の聴力検査で聴力が低下していることに気づいた、というものから、ある日突然全く聞こえなくなったなど、聞こえの程度はさまざまです。両耳同時に聞こえなくなることも少なくありません。
いじめや両親の離婚などがきっかけとなることもあります。
おもに子どもがなりやすいといわれ、6歳から14歳の女児に多い難聴です。心の問題で起こる難聴なので、離婚や介護、家族の死、会社でのストレスなどをきっかけに、もちろん大人が発症することも珍しくはありません。
治療法
まずは耳や脳に異常がないかを検査し、異常がないと認められた上で、心の問題を解決していきます。
耳自体の異常はないので、内服などは必要ありません。ストレスを取り除くことで少しずつ聞こえるようになります。
原因となる心の問題が何なのか、そのストレスを取り除けるよう、本人や家族、学校や会社など周囲も含め、本人の状態をしっかり理解することが大切です。
通院の際は、耳鼻科だけでなく、必要であれば心療内科や精神科などに通い、心のケアの専門家のサポートを受けることも大切です。
どのタイプの難聴であっても、共通しているのはストレスが原因のひとつとされていることです。
そのため、まずはココロとカラダへのストレスの対処が基本となります。安静、休養をしっかりとり、3食バランスの良い食事をとり、規則正しいリズムを心がけることが大切です。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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