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シンデレラ・コンプレックス
理想の結婚相手が迎えに来てくれるのを女性がひたすら待つことを「シンデレラ・コンプレックス」といいます。白馬の王子様がいつか迎えに来てくれるのを待つ童話「シンデレラ」にちなんでこの名前がつけられています。
シンデレラ・コンプレックスは、「自立したい」という気持ちと「それでも誰かに守ってもらいたい、幸せにしてもらいたい」という気持ちの葛藤から生じるといわれています。
この現象は、他人への依存傾向が強い女性に多く、その根源には自信のなさや不安があるといわれています。
一見、独立心が強いように見える高学歴の女性に多いといわれていて、女性の社会進出とも関連があると考えられます。そして、大学生などの若い女性に多く、30代以降になると減少するといわれています。
恋愛版・青い鳥症候群
青い鳥症候群は、幸せ探しをする兄妹の童話「青い鳥」にちなんだ言葉で、精神科医の清水將之(まさゆき)医師が提唱しました。
青い鳥症候群は、理想の仕事を求めて転職をくりかえしたり、定職につかない若者たちのことを指していて、日本人特有の現象ともいわれています。高学歴で、プライドが高かったり、これまでの人生で失敗経験が少なく、思う通りに事(こと)が進まないことに納得できない人が陥りやすいといわれています。
このように、青い鳥症候群は、本来、自分の将来が定まらずに葛藤する若者を指した言葉です。
そして、これを恋愛にあてはめてみると、結婚に対してハードルが上がっている女性も似たような傾向をみることができます。
女性の高学歴化や晩婚化が進んだことに伴い、女性が恋愛する時間や理想の結婚相手を求める時間も長くなりました。このような変化によって、女性は自分の好きな相手と結婚できるチャンスが広がったように見えます。
しかし一方で、理想の相手を求めるからこそ結婚しなかったり、納得できるまで理想の相手と結婚できない、という現象を引き起こしているのも事実です。このように、理想の相手を求め続けて結婚のハードルが高くなっている現象は、まさに「恋愛版青い鳥症候群」ともいえるでしょう。
本来、青い鳥症候群は、青年が大人になることへの不安から、「本当の自分はこんなんじゃない」と模索することで起こる現象です。
「恋愛版青い鳥症候群」も同じように、結婚に対してハードルが高くなる背景には、結婚して新しい自分と向き合うことやこれまでの生活が変わることへの不安が隠れていると考えられます。
とくに、年齢が上がるにつれて、結婚へのハードルが上がるのは、自分がこれまで確立してきた価値観が変化することへの抵抗感や不安感が大きいからともいえるでしょう。
このように、シンデレラ・コンプレックスも青い鳥症候群も、その背景に隠されているのは「不安な気持ち」です。
ですからもし心当たりがある場合は、格好の相手を見つけるためには相手に多くを求めるのではなく、まずは自分と向き合ってみましょう。
心の奥に隠れている不安な気持ちの原因を探ることで、結婚が一歩近づくかもしれません。
【参考】
『マイナビウーマン』によるWebアンケート調査(2013年8月)http://woman.mynavi.jp/article/130920-084/
<執筆者プロフィール>
伊坂 八重(いさか・やえ)
メンタルヘルスライター。
株式会社 とらうべ 社員。精神障害者の相談援助を行うための国家資格・精神保健福祉士取得。社会調査士の資格も保有しており、統計調査に関する記事も執筆
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