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執筆:井上 愛子(保健師・看護師)
忘年会など「機会飲酒」が増える季節になりました。あなたの胃腸は大丈夫ですか?
12月11日は日本OTC協会が「胃腸の日(イニイイ)」と定めています。
忙しい年の瀬だからこそ、胃腸をいたわってあげませんか?新しい年を元気に迎えるためにも、気をつけたい胃腸の症状とケアについて見ていきましょう。
これって病院に行った方がいいの?
「なんとなく胃腸の調子が悪いなぁ」という経験は、一度くらい誰しもあることでしょう。
ただ胃腸の不調の原因がはっきりしていて、3日以内に症状が改善される場合のほとんどは、心配しなくても大丈夫です。なぜなら、荒れた胃の粘膜が修復されるまでにかかる時間は、約60時間(約2.5日)とされているからです。
ところが一方では、放っておくと危険な症状もあります。次のような症状がある場合には、病気の可能性があるので注意しましょう。
激痛、3時間以上の持続痛、動くと響く痛み、突然の痛み、いつもと違う痛み
急激な痛みの代表格である虫垂炎、急性胃炎などの可能性があります。
吐血(とけつ:血を吐く)
食道や十二指腸、胃などからの出血が原因の可能性があります。
タール便(黒っぽい便)
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの疑いがあります。出血から時間が経っているほど、問題のある消化器が肛門から遠い場所にあることを意味しています。
下痢が続く、便秘と下痢を繰り返す
過敏性腸症候群、慢性腸炎、潰瘍性大腸炎の可能性があります。
胸焼けが止まらない
胃食道逆流症、十二指腸潰瘍、胃炎、胃潰瘍の可能性があります。
食べ物がつかえる
食道がんや食道静脈瘤の腫瘤が考えられます。また、肝硬変でも起こることがあります。
しゃっくりが3~4日とまらない
肝臓や食道に病変があると、つながっている横隔膜が刺激を受けてけいれんを起こした結果、しゃっくりが出ます。
痛む場所や症状の程度は、個人差があります。たとえば、急に腹痛をともなう印象が強い「虫垂炎」も、ズキズキとした痛みが続き、時間とともに右下腹部の痛みが強くなることがあります。
このように、ストレスによる胃の不調も抱えがちなビジネスパーソンに「いつものこと」と思われがちな症状であっても、危険な病気が隠れている可能性があります。
しかしこれだけではありません。
なかなか良くならない症状の裏には、思いもよらない「がん」が隠れていることがあります。次から詳しくみていきましょう。
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