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月経困難症は子宮内膜症の症状かも
月経困難症は治療をすることで改善できる場合があります。
「生理痛は生理につきものだから仕方がない」「悩むことはあっても生理は病気ではない」などと受診をせずにいる方もいるかもしれませんが、婦人科への受診と適切な検査や治療を受けることは、生活の質を向上することにもつながります。
また「月経困難症」の人、つまり生理痛がつらい人は、「子宮内膜症」である場合が多いことがわかっています。
さらに、子宮内膜症は不妊症の原因となることがあり、原因不明の不妊症の50%近くが子宮内膜症に起因するともいわれています。ただ、子宮内膜症は子宮の内側にあるはずの内膜が、ほかの部分で生理のたびに増殖とはがれることを繰り返すものです。
そのため、女性ホルモンが活発で生理があるうちはずっとと付き合うことになります。月経困難症は子宮内膜症の予備軍ともとらえられ、逆に子宮内膜症の人は生理痛に悩まされるということです。
ですから、生理痛は放っておくことなく、早めに治療に取り組むことが重要です。
つらい生理痛は治療で改善できることも
痛みに対しては鎮痛剤を使います。
先ほどご説明した子宮内膜症など、月経困難症の原因になっている疾患に対する治療が痛みを軽減するために効果的です。
たとえば、低用量ピルや、卵巣や脳の性ホルモンの指令塔になる部分に働きかけ女性ホルモンを抑える薬を使い、子宮内膜をととのえて痛みを軽減させます。
また、子宮内に小さな装着物である「IUS」を入れることもあります。これは、子宮内で微量のホルモンを5年間にわたって放出するもので、妊娠・出産の経験がある人にすすめることが多いものです。
生理の悩みで婦人科に受診をしようと思っていても、そのつらい時期が過ぎればラクになるため、受診のタイミングを逃してしまっている人もいるでしょう。
受診は風邪のときのように、症状がつらい真っ只中でなくても大丈夫です。
いつ、どのような症状で困っているのか、ここ2~3ヶ月の生理時の様子を伝えられるようにした上で受診しましょう。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
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