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完璧主義と精神障害や問題行動
完璧主義は、さまざまな精神障害の病前性格となることが、専門医によって指摘されています。うつ病、摂食障害、不安障害、境界性パーソナリティ障害、アルコール依存症、心身症などです。
また、虐待や仕事中毒、夫婦関係や人間関係の破綻、嗜癖行為、自殺といったさまざまな問題行動の背景にも、完璧主義が見出されることが多いとのこと。
いわば、完璧主義であろうとするストレスと、それを満たせないことからくるストレスとの両方が相まって、症状や問題行動に絡まってくるということだそうです。
また強迫性障害(OCD)は、自分でコントロールできない不快な考えとしての「強迫観念」と、それをふり払おうと、さまざまな行為である「強迫行動や儀式」をくり返す不安障害の一つですが、専門医はその正体を「自分のこだわることに対する徹底した取り組みや、細胞の奥の奥まで純粋で、こころの底まで潔癖であり続けようとする完璧主義」(原井宏明)と指摘しています。
完璧主義の治療:認知行動療法
認知行動療法は、ものごとの受け止め方(認知)や行動を適応的に変えることで、つらい感情を軽減する心理療法とされています。
医療では信頼性の高い心理療法と位置づけられ、うつ病、双極性障害、パニック障害、社交不安障害、恐怖症、強迫性障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、慢性ストレスなどの治療に適用されています。
とくに、比較的表層の「自動思考」や、より深層にある「スキーマ」と呼ばれる、ふだんは無意識な考え方のクセともなっているものを明らかにして、可能ならばこれらを変えていくことがめざされます。
そして、こうした考え方の無意識なクセの代表格として、完璧主義が挙げられています。
自動思考の歪みとしての完璧主義(認知行動療法より)
「全か無か思考」:ものごとを白か黒かで、かんがえるような二者択一的な思考。
「100%うまくやらなければ失敗だ」と考えるため、たまにうまくいかなかっただけでも、自分を責めて、つらい気分になってしまう。
スキーマの核となる価値基準としての完璧主義(認知行動療法より)
うまくできないなら、はじめからやる意味はない、といった思考にとらわれている
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