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舌苔と口臭との関係性
「だれにでもみられるもの」とはいっても、舌苔が真っ白に溜まりすぎると、さまざまな口のなかのトラブルを引き起こす原因になります。
なかでも、舌苔は最大の口臭源といわれます。
なぜ口臭の原因になるのかというと、口のなかにいる細菌が、新陳代謝によってはがれた粘膜上皮や食べカス、血球成分といった舌上の汚れに含まれるタンパク質成分を分解することで、口臭の原因物質となる「揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)」を発生するからなのです。
この揮発性硫黄化合物は、卵や魚、野菜などが腐敗した「生ゴミのようなにおい」と例えられる「硫化水素」「メチルメルカプタン」「ジメルサルファイド」という3種類のガスがおもに混ざったものとなります。
ですから、舌苔の溜まり過ぎは、非常に特有で不快な口臭の原因となるのです。
このように、舌苔が溜まりすぎて真っ白な状態だと、口臭の原因になります。
ほかにも、とくに高齢者だと、なんらかの機会に、舌苔のなかの病原菌が気管から肺へと入ってしまうと、「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」をおこす可能性があったり、味覚を感じる箇所に悪影響を与える可能性なども潜んでいます。
ですから、口腔内の健康、ひいては身体の健康を保つためには、歯磨きと一緒に舌のケアもとても大切となります。
それでは次から、この舌苔のケア方法をご紹介いたしましょう。
舌苔のケアはこうしてください!
やはり一番は、「取り除く」ということが基本ケアとなります。
舌苔は、うがいをするだけでは取り除くことができないので、専用の舌ブラシや、やわらかい歯ブラシ、綿棒やガーゼを使用してケアします。
使用時のポイントは以下のとおりです。
・鏡で確認しながら、舌の奥から前方に向かって、一方向にやさしく動かす
・「やさしく」の目安としては、100グラムほどの力加減がベスト(調理用のはかりを指で押したとき、100グラムまで目盛が動く程度の力加減)
・朝、起きたときなど1日1回程度のケアで十分
・舌苔を取り除いたあとは、口のなかに汚れが残るので、そのあとに歯みがきをおこなうようにする
・綿棒やガーゼを使用する場合、水で濡らしてから同様にやさしく一方向に拭き取る
1日に何度もおこなったり、前後方向に行ったり来たりと動かしたり、ゴシゴシ力を入れすぎると、舌の表面を傷つけるおそれがありますので注意しましょう。
口臭を予防するには、口の中の細菌の繁殖をおさえるために、清潔を心がけることが一番です。
舌苔をケアするのはもちろんですが、ふだんから歯磨きを丁寧におこなう、また、唾液が分泌されるよう、食事の時によく噛むことなども予防効果につながります。
<執筆者プロフィール>
青井 梨花(あおい・りか)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験があるベテラン助産師。
現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。プライベートでは一児の母。
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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