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執筆:青井 梨花(助産師・看護師・タッチケアトレーナー)
医療監修:株式会社とらうべ
「乳幼児期の食事が味覚の形成には重要」という話を聞いたことがあるでしょうか?
「いよいよ離乳食!」と思い、はりきって作ってみたものの、「ベーッ」と口から出されてガッカリ・・・という経験をしたママ・パパは少なくないはず。
赤ちゃんの味覚はどう発達するのか、また豊かな味覚をはぐくむポイントも含めて、ご紹介したいと思います。
赤ちゃんの味覚はどう発達していくの?
ヒトが味覚を感じる器官を「味蕾(みらい)」といいます。
私たちは味蕾によって、5つの基本となる味「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」や、これらが複雑に混ざり合った味を感じとることができます。
味蕾は、舌の表面はもちろん、頬の粘膜や「軟口蓋(なんこうがい:上あごの奥の方)」などにも分布しています。
味蕾は、妊娠7週目ごろ、つまりママのお腹にいるときから作られます。
味蕾の数が1番ピークに達する時期は、妊娠後半期~生後3か月ごろで、その数は大人の1.3倍といわれます。
ですから、大人より子どもの方が「味に対して感受性が高い=敏感である」といえます。
また、以下の3つの味は、生きていくためにカラダに必要な栄養素として、生まれたときから本能的に好む味である、といわれます。
母乳のエネルギー源=炭水化物=「甘味」
タンパク質=アミノ酸=「うま味」
ミネラル=食塩=「塩味」
一方で、腐ったものや未熟な果物などが発する「酸味」と、毒物に多い「苦味」は、カラダを守るために本能的に避ける味で、はじめはなかなか受け入れられないもの、といわれています。
そのため「苦味」や「酸味」を感じる野菜や果物を苦手とする子どもが多いのは、ある意味、当然のことなのです。
そして「苦味」「酸味」といった苦手な味を何度も経験し、さまざまな食の体験を通して徐々に慣れていくことで、月齢に応じて少しずつ味覚に深みが増し、発達していくものといわれます。
味蕾の数がピークを迎える3か月ごろ以降になると、だんだんと味覚が鈍くなるともいわれています。
離乳期以降、だんだんと幅広い味を受け入れるようになっていくのは、味覚が鈍くなることも関係していると考えられています。
だからこそ、乳幼児期のさまざまな食の経験は重要といわれるのですね。
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