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せん妄の症状
せん妄になると、次のような状態が症状として現れます。
- ・表情が乏しくなり、態度や感情の動きに活発さが欠け、ぼんやりしていることが多い
- ・現在の日付や時刻、現在の場所などがわからなくなる(=見当識がなくなる)
- ・ある程度の長い会話の中で、ちぐはぐなところ、まとまりの悪いところがある
- ・記憶力、計算力、判断力などの知的能力が低下する
このような特徴から、高齢者の場合は認知症と間違われたり、抑うつ状態とみなされてしまうこともあるようです。
これらと比べると、とくに、行動・言動の変化が急激に発症したり、その変化が1日のうち、または日によって変化したり(日内変動、日間変動)、一過性で、通常数日以内で正常に復するといった、症状の変化を特徴とする症候性の精神障害といわれます。
せん妄の診断
せん妄の診断にあたっては、上に挙げた症状とその変化という、時間的経過を重視した「経過診断:診断ステップ」が必要とされるとのこと。
脳の機能不全が全身状態に及んで、次のような経過をたどるとされています。
- 1. 急激な発症と症状の変動
- 2. 注意の障害
- 3. 思考の混乱または意識の障害
せん妄の種類には、夜間に症状が見られる「夜間せん妄」、職業上の動作を意識障害下で繰り返す「作業せん妄」、手術のストレスや麻酔薬や鎮痛薬に由来する「術後せん妄」、大飲酒家が突然アルコールを止めたことに伴って現れる「アルコール離脱せん妄」などがあります。
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