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子宮頸がん検診と治療
子宮頸がんは、早期発見することで治療がしやすく、病気の経過も良いがんのひとつです。
しかし、自覚症状はほとんどないため、自分で異変に気がついて受診することが難しい病気でもあります。
だからこそ、検診を受けることが非常に重要なのです。
検診では、問診や視診(器具を使って子宮頸部の炎症やおりものの状態を診る検査)に加えて、細胞診を行います。
細胞診ではブラシなどを用いて子宮頸部を採取しますが、痛みはほとんどありません。
これらの検診の結果、異常がある場合には精密検査が行われます。そして、そこでも異常が発見されたなら、個人の状態や妊娠希望の有無などを踏まえて、放射線治療や手術が行われます。
なお、精密検査の結果、「軽度異形成」や「中度異形成」であった場合には、主治医の指示のもと、定期的な精密検査が行われます。
子宮頸がんワクチンについて
子宮頸がんを予防する方法として注目されているのが、子宮頸がん予防ワクチンです。
子宮頸がん予防ワクチンは、WHO(世界保健機関)で推奨され、先進国でも公的接種としている国が多くあります。
日本でも2013年から定期接種となりました。
ところが、その後、ワクチン接種後の副反応が問題視されています。
副反応の症状としては、注射部の痛みや腫れ、疲労感などの比較的軽いものから、持続的な痛み、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎など重篤なものまであります。重度な副反応は、まれなものだといわれていますが、その発生頻度については現在も調査が続けられています。
このような事態を受け、現在、厚生労働省では積極的な接種勧奨を差し控えています。
ただ、副反応が起こる頻度と、子宮頸がん予防ワクチンを受けることのメリットを比較した場合、ワクチンを受けるメリットの方が大きいことから、定期接種自体は現在も続けられています。
定期接種を受ける際は、副反応のリスクがあることを理解し、接種後に異変を感じた場合には、すぐに病院を受診するようにしましょう。
また、子宮頸がん予防ワクチンを受けた場合でも、定期的に子宮頸がん検診を受けることは必要です。
お伝えしたように、子宮頸がんは早期発見ができれば、治療が可能な病気です。
ただ、状態によっては妊娠や出産をあきらめなければいけないこともありますし、最悪の場合、死に至ることもあります。
自分の身体を自分で守るためにも、子宮頸がん検診をきちんと受診しましょう。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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