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完璧な永久脱毛は1度ではムリ?
毛は、成長期、退行期、休止期という3つのサイクル(毛周期)を経て、生え変わっていきます。
このうち、レーザーに反応し、毛の再生組織にダメージを与えられる期間は、成長期の毛だけ。
退行期や休止期にあたる毛は施術に反応せず、そのまま残ります。
残った毛を永久脱毛するためには、次の成長期のサイクルになる頃に再度照射する必要があります。そのため、たとえ1つの部位しか永久脱毛を行わない場合でも、数か月にわたり繰り返し施術をおこなうことになります。
1回で永久脱毛が完了しないのはこのためです。
「ムダ毛の処理をしないで済むし、ツルツルスベスベの肌を手に入れられるなら!」と、メリットばかりに目を向けてはいけません。
永久脱毛にもデメリットやリスクはあります。次から詳しく説明していきます。
永久脱毛のデメリット・リスクとその対処法とは?
一般に「永久脱毛」といわれる医療用レーザーについて、「十分な知識・経験を有する医師が、適切に使用すべき」と、平成29年1月にも、厚生労働省から注意喚起が出されています(『医療機器「ロングパルスアレキサンドライトレーザ GentleLase Pro」の適正使用について』http://www.jaam.or.jp/topics/topics17/201701_gentlelasepro.pdf)。
また、肌質や毛質にも個人差がありますから、後悔しないように事前にカウンセリングを受け、デメリットも熟知した上で検討しましょう。
一般にいわれる代表的な医療用レーザー脱毛のデメリット・リスクは、以下です。
毛穴まわりの赤みやむくみ
施術後は、表皮および毛穴全体が、レーザーによる熱の刺激を受けて、赤みやむくみ(炎症性浮腫:えんしょうせいふしゅ)といった症状が出ることがあります。ただ、これは、通常の経過ともいえます。
もちろん一時的なものなので、個人差はありますが、数時間後~翌日には落ち着くことがほとんどです。
2~3日経過しても落ち着かない、または悪化してきたという場合は、必ず医師の診察を受けましょう。
やけど
レーザー照射するにあたっては、脱毛の効果を最大限に、かつ、周囲の皮膚にはダメージを及ぼさないように、適切な照射出力の設定を個々におこないます。
とはいえ、やはり皮膚・毛質などには個人差があります。
そのため、まれではありますが、やけどを起こす可能性がゼロではありません。
目安として、3日ほど経過してもなお、赤みやヒリヒリ感などの炎症症状が落ち着かない場合には、必ず受診をしましょう。
毛嚢炎(もうのうえん)
一時的ではありますが、脱毛後の皮膚(表皮部分や毛根周囲の毛包)は、レーザーなどの刺激によって、バリア機能が低下しやすい状態になります。
そこに、普段は常在菌として皮膚に付着しているブドウ球菌が感染すると、炎症を起こすことがあります。赤くポツポツとした丘疹(きゅうしん;皮膚面より小さく盛り上がったもの)や、膿疱(のうほう;膿を持った丘疹)になることもあります。
基本的に、清潔を心がけていれば自然に軽快するでしょう。
広範囲に増えてくる、赤みが増す、痛みがあるなど、炎症が悪化しているような症状がある場合は、受診を。
硬毛化・増毛化
医療レーザー脱毛をおこなうことで、これまで発毛していなかった毛穴が活性化され、毛が生えてくる場合があります。
このように、一見、毛が増えたようにみえる現象を「増毛化」といいます。
また、脱毛されずに残った毛が太く、長くなる「硬毛化」も、毛根と毛根周囲組織が、逆に活性化してしまうことで発生する現象なのではないかと考えられています。ただ、双方ともまだはっきりとした原因は解明されていないのが現状です。
このような現象は、二の腕や背中などの、比較的、毛が細く薄いような部位で起こりやすいといわれています。
レーザーの場合は、産毛より毛が黒く太い方が反応しやすいということもあり、多くの場合は、レーザーの機種を変更したりして、照射をおこなうことで脱毛できるといわれます。
ただ、硬毛化・増毛化がみられるのは、脱毛後、1か月以降しばらくしてからなので、フォロー体制が整ったクリニックを選んでおくと安心ですね。
<執筆者プロフィール>
青井 梨花(あおい・りか)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験があるベテラン助産師。
現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。プライベートでは一児の母。
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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