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妊娠糖尿病になりやすい人
とはいえ、すべての妊婦さんが妊娠糖尿病になるわけではありません。
通常、ホルモン分泌によってインスリンが抑制気味になる時期には、ふだん以上にすい臓からインスリンを多く分泌して血糖値を上げないように調節する働きが備わっているからです。
ところが、何らかの原因でこの調整機能がうまく働かないと、血糖値が上昇し、妊娠糖尿病になってしまうと考えられています。
とくに次の因子は発症に関係しているのではないか、といわれているものです。
・肥満である
・高齢出産(35歳以上)である
・糖尿病の既往歴がある家族がいる
・尿糖が陽性となることが続いている
・妊娠高血圧症候群である、もしくは既往歴がある
・羊水過多といわれている
・流産や死産、早産の経験があり、原因がわからないといわれたことがある
・過去に大きな赤ちゃんを出産している
(参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター『妊娠と妊娠糖尿病』(https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-jsdp.html))
妊娠糖尿病の診断基準
妊娠糖尿病の診断は、「75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」の検査結果を用いて行います。検査の結果、次の1つ以上を満たす場合に、妊娠糖尿病と診断されます。
・空腹時血糖値 ≧ 92mg/dl (5.1mmol/l)
・1時間値 ≧ 180mg/dl (10.0mmol/l)
・2時間値 ≧ 153mg/dl(8.5mmol/l)
(参考:一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会『妊娠中の糖代謝異常と診断基準(平成27年8月1日改訂)』(http://www.dm-net.co.jp/jsdp/information/024273.php))
先に述べたように、妊娠糖尿病は妊娠中にはじめて発見・発症された糖代謝異常のことをいいます。
そのため、糖尿病に至っている場合は、「妊娠中の明らかな糖尿病」と呼ばれ、区別されます。
また、妊娠前から糖尿病を発症していた場合は「糖尿病合併妊娠」と呼ばれ、妊娠糖尿病には該当しません。
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