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使い分けの意味1:治療法の違い
北海道大学の田中伸哉教授(医学博士;腫瘍病理学)によると、「新聞記事では、特殊な場合を除いて漢字は使わず、すべてひらがな」と前置きしながら、医療関係者の間では、正しい治療を行うために、コトバの使い分けをしているとのこと。
細胞と細胞の結合が強い上皮系では、手術で患部を切除することが多く、これに対して、非上皮系は、抗がん剤、分子標的薬、放射線治療がまず試されるとのこと。
非上皮系の悪性腫瘍は身体の奥の方に位置し、切除しにくいためでもあるとのことです。
使い分けの意味2:病理と臨床と疫学
医師によっては、「がん」と「癌」との使い分けを、「がん」が良性か悪性かを調べる病理学の分野では「腫瘍」、患者さんと接する、病院など臨床分野では「がん」、統計学的な分野では「悪性新生物」と表現されることが多い、という指摘もあります。
たとえば、国立がん研究センター(国立研究開発法人)では、正式名称にひらがなの「がん」が使われています。一方、日本癌学会(JCA)は漢字が用いられています。
【参考】
・野島博『絵でわかる がんと遺伝子』(2012年 講談社サイエンティフィク)
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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