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執筆:青井 梨花(助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
小さいお子さんや赤ちゃんに多く発症する「百日ぜき」は近年、大人の患者も増えています。
大人の百日ぜきは症状が軽く、風邪と間違って放置するなど受診や診断が遅れがちです。
そして、気づかないうちに乳幼児への「感染源」になる恐れがあるといいます。
乳幼児の場合は重症化する可能性がある病気です。
長引く咳に心当たりがあるときは…もしかしたら百日ぜきかもしれません。ご一緒に詳しく見ていきましょう。
「百日ぜき」とは?
百日ぜきは百日咳菌による感染症です。
しつこく激しい咳が特徴で、発症してから回復するまで「全3ヶ月=およそ100日」かかることから「百日ぜき」と呼ばれてきました。
感染経路は飛沫感染か接触感染です。
百日ぜきの典型的な経過は次のとおりです。
カタル期:発症後~約2週間
約7~10日ほど無症状の潜伏期間の後、鼻水やくしゃみなど、いわゆる風邪に似た症状から、徐々に咳が激しくなっていきます。
痙咳(けいがい)期:約2~3週間
「コンコンコン…」と咳込むような連続性の短い咳の後に続いて、息の吸い込み時に「ヒューッ」と笛のような音が出る、特徴的な咳をするようになります。
咳とともに、嘔吐することもあります。
咳で息が詰まり顔面の静脈圧が上がるため、顔がむくんだり内出血したりすることもあります。
とくに6ヶ月未満の乳児では、息を止めてしまう無呼吸発作やけいれんを起こし呼吸停止にいたるなど、重症化しやすいので注意が必要です。
また、肺炎や脳症などの合併症につながるケースもあります。
回復期:約2~3週間
激しい発作性の咳は次第に落ち着いてきます。
ときどき発作性の咳がみられることはあっても、少しずつおさまっていきます。
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