「やる気ホルモン」ともいわれる甲状腺ホルモン、その働きと病気

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「やる気ホルモン」ともいわれる甲状腺ホルモン、その働きと病気

公開日時

甲状腺疾患の治療法

 

甲状腺機能亢進症(おもにバセドー病)の治療法

 
(1)内服
 
甲状腺の腫れが小さい人、病気の程度が軽い人、妊婦さんなどに向いています。
ただし、長期間を要する治療なので、薬を飲み続ける必要があり通院も必須です。
治療薬はメルカゾール、チウラジールなどです。
 
(2)アイソトープ
 
薬で治りにくい人、薬の副作用が強い人、心臓や肝臓が悪い人などに用いられます。
放射性ヨードを使用するため医療機関は限られます。
 
(3)手術
 
薬で治りにくい人、甲状腺の腫れが大きい人、早く治りたい人などに適しています。
甲状腺の一部を残して切除する方法です。
術後は首に傷跡が残りますが、最近ではかなり小さく目立たなくすることが可能です。
また、術後に薬などを飲む必要はありません。
 

甲状腺機能低下症の治療法

 
不足している量の甲状腺ホルモンを服薬して補充する療法を用います。
ほとんどのケースで、一生飲み続けることになります。
 
 

甲状腺疾患と食事

 
甲状腺の健康維持のためには、主食は未精米穀物(玄米、分づき米、全粒粉のパン、蕎麦など)、ビタミンB群、ビタミンA、ミネラル、大豆などがよいとされます。
 
とくに、甲状腺を正常化させる働きをもつ亜鉛(牡蠣、魚介類、アーモンド、納豆、玄米発酵食品)は重要なのでしっかり摂る必要があります。
 
また、水分は十分に摂り、脱水にならないようにします。
 

甲状腺ホルモン機能亢進症と食事

 
食生活で避けなければならない食品は、ヨードを多く含む食品(海藻類、昆布、寒天、昆布だしなど)や、カフェイン・白砂糖・唐辛子・アルコールなどの刺激物、食品添加物などです。
 

甲状腺ホルモン機能低下症と食事

 
ヨードを豊富に含む食品を摂るとよいのですが、ヨードの過剰摂取も低下症を招きますので、医師の指示に従ってください。
 
 
甲状腺ホルモンの疾患はストレスや過労が発症の引き金となります。
 
症状が全身に現れることから、どこが悪いか判別できないままいつも体調が悪い…といった状態になりがちです。
 
また、本人が気のせいと思ってしまったり、周囲から怠け者と思われたりする人も少なからずいます。
 
日ごろから自分の体調ときちんと向きあい、体調不良が長引いているときは早めに受診して適切な診断を受けましょう。
 
定期的な甲状腺ホルモン検査も予防になります。
 
 
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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